第237回 物流サービスの対価その2

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今シリーズは、荷主へ提供される物流サービス対価についての考察いたします。

物流サービスの対価とは何を指し示すのか、まずは言葉の定義を明確にする必要があります。

対価とは「他人に財産・労力などを提供した報酬として受け取る財産上の利益」 のことです。

従いまして物流サービス対価とは、物流企業から提供される保管・荷役・輸送などの労力や財産使用(倉庫や車両及びマテハン機器など)に関わる料金となります。

荷主企業は、物流サービスを収受した変わりに料金を支払うわけでありますが、 その料金=価格が適正なものか否かを購買時に判断しなくてはなりません。

価格の定義は、「異なる二つの物(サービス)の交換比率」です。

みかん箱をひとつ東京から横浜へ運ぶサービスが500円が売られている価格であれば、 みかん箱1個の輸送サービスとお金の関係が1個対500円となります。

しかし、別の運送会社さんで同じ輸送が490円で売られていると、荷主企業は価格が 安い方がよいので、490円の運送便を利用します。

するとまた別の運送便で480円のサービスが販売されることがあります。

このように、物流サービスの供給者が競争を繰り広げて、購買者がその販売価格を 判断して購入するプロセスを市場価格といいます。

市場価格は需要と供給双方の力関係によって成立します。

供給するサービスの参入障壁や難易度が高ければ、価格は上がります。

また、需要が多くて供給が少なくても価格は上がります。

その逆で、供給過多や需要が少ない場合、価格は下がります。

そこで、物流購買価格の適正さを判断するには、以下二つの視点が必要です。

  • (1)市場価格が形成されているサービスか?
  • (2)特定もしくは差別化されたサービスか?

この(1)か(2)によって、荷主企業の購買プロセスも変わってきます。

・・・次号へ続く。

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akamine@f-logi.com (アカミネセイジ)まで

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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