第23回 物流M&A~物流企業の価値~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

物流企業として、M&A視点から見た価値のある企業像とはどのような企業 でしょうか?  

M&Aの戦略とは

(1)業容拡大のため
(2)売上増大
(3)新事業進出
(4)新エリアへの進出
(5)相乗効果(シナジー)の期待  

これら5視点から見て、より効果的なM&Aを実現するためには、財務諸表に隠れた本来の企業像=実態を把握しなくてはいけません。  

例えば、貸借対照表(B/S)からは決算日のおけるその企業の財政状態を知る事ができます。

その企業の資産・負債・資本についての内容を表しています。

これに対して損益計算書(P/L)とはその企業の1年間の活動における経営実績、お金の流れを表しています。

これらの財務資料からその企業の 『企業価値』を算出し、投資対象としての『投資価値』を売買するものが M&Aという活動になります。  

欲しい人にとっての価値とは、現在の価値と将来、産出してくれる価値の二つの価値があります。

業容拡大、売上増大、新事業・新エリア進出などの目的には、現在価値を特に重視するかもしれませんが、シナジー効果を期待するには、将来価値の創造が可能であり、合併及び吸収を行う事により 現在価値のバリューアップが期待される事がM&Aの根底にあります。

何故、M&Aを行うのか?

M&A実施後は、どのように変化する事が期待されるのかを明確にした戦略が必要です。  

現在の期待と将来の期待が同じベクトルでありその投資が、回収+付加価値 とならなくては、投資効果は見出せなくなります。    

物流企業においては、B/SとP/Lだけでは、現在価値・将来価値を見出す事は困難だと思います。

殆どのサービス業にも当てはまりますが、 提供する商品に、客観的な判断が難しい『人』『シクミ』『ノウハウ』と いった不可視な要素の総和が物流企業の『価値』なのだからです。  

次号では、物流企業の本質的な『価値』について追求していきます。  

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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