第221回 ポスト3PLの時代(19)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

前号に続き、Web通信販売企業A氏から相談された「物流コンペ」の模様を紹介
します。

紆余曲折ありながらも、A氏が進める物流コンペは無事に委託先の選定及び、委託開始日(キックオフ)が決まった。

物流コンペ自体をよく理解していなかったA氏だったがコンサルタントB氏の手助けにより、自社にとっては最適と思われるアウトソーシング内容になった。

そもそもA氏は、物流アウトソーシングについては出来るだけ多くの領域を一括でひとつの企業へ委託することが3PLという手法だと認識していた点が、誤りだった。

ひとつの企業を窓口にして、倉庫・作業・配送・情報システムなど物流アウトソーシングに関わる全ての領域を一括化するほうが合理性は高いと思う。一方で、合理性を追求するあまりに「最適化」はやや見落とされていることがわかった。

物流戦略を考えるうえでの最適化は、全ての業務を一括でアウトソーシングするのではなく、ひとつひとつの業務や領域を明確にした後に、最高のパフォーマンスを組み合わせ、相互が連携を図れるフローとして不備や無理がないシクミを構築することである。

今回は、物流を業務フローとして明文化し、その責任領域や業際を明確にしたことが最大の進歩ともいえる。

A氏が考える今回の物流コンペによるメリットは、以下の3点が特徴的なものである。

1.どこで誰が何をするのか業務フローの中で一目瞭然となった
2.物流業務をアウトソーシングしているにも関わらず、ブラックボックスが無くなった
3.コスト削減効果も最大値を得られる体制となった

今後この体制を維持していけば、自社の物流に関しては全く問題がないと思い、コンサルタントB氏へ質問した。

「Bさんもうこれ以上は大きなことで、取り組むことは無いですよね?」

B氏からは、

「何を仰るのですか!まだ最後に極めて重要な取り組みがありますよ。これが、できないと将来のリスクに対して対処が大変になりますよ」

次号に続く…。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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