第216回 ポスト3PLの時代(14)
前号に続き、Web通信販売企業A氏から相談された「物流コンペ」の模様を紹介
します。
今回はコンサルタントB氏より、物流コストに関して管理手法を教わることになった。
物流コストに関して管理手法
物流コストに関しては、大項目として3分類される。
(1)輸配送費・・・チャーター便や路線便、宅配便など顧客への配送運賃
(2)荷役・梱包費・・・製品在庫を保管する倉庫・物流センターにおける荷役・梱包費
(3)保管費・・・製品在庫を保管する倉庫・物流センターの物件費や営業倉庫に支払う保管料。
ここまでは、一般的にどこの企業でも明確に分類のうえ詳細を把握できていると思います。
しかし、物流コストを管理するにはもう一歩踏み込んだ分類を求められます。
それは、物流費を固定費と変動費に「個変分解」することです。
個変分解を行うことで、限界利益が抽出され、製品毎の収益管理が明確になります。
たとえば、自社で製品倉庫を土地・建物とも保有している場合は、保管に関わる費用は固定費となります。
外部倉庫を坪借りによる賃貸借契約や、物件全てをリース契約で利用している場合も固定費となります。
(3)における保管費が変動費と分類できるケースは、営業倉庫を利用した3期制や、個建て契約など契約の基本が
・単価x数量=保管費用 ・・・と計算できる契約となります。
コンサルタントB氏が言う。
「御社の場合も、物流センターを坪で契約していますので、保管費用は固定となります。」
すかさず、A氏は
「でも、オーバーフロー分は超過したスペースだけ坪の割増なので、変動費ではないのですか?当社へムダな保管料は支払っていないと思いますよ。」
「それでは、Aさんに聞きます。セールや特売品など、売価と物流コスト及び販売粗利などをひとつひとつ明確に把握できていますか?限界利益を管理できていないと、ネット通販事業のような商品サイクルの短いビジネスは売っても売っても赤字となることがありえますよ。」
かなり手厳しい問いがコンサルタントB氏よりあった。
次号に続く…。