第19回 物流アウトソーシング~社内承認・アウトソーシングコンペ編~
前号で、アウトソーシングにおける品質及びコストの目標設定が決まりました。
目標に掲げるのは、あくまでも数値であり定量的な効果が求められます。
この定量効果を定期的に検証するには、定点観測と測定が可能なロジスティクス体制でないとなりません。
社内においても、アウトソーシンジ後の効果を数値で表さないと改革や改善の協力を得るには、疑問視される恐れがあります。
物流のアウトソーシングプランを社内承認していくには、(1)即時効果と (2)期待される効果の2点が求められます。
特に、表面的なコストダウンだけを重視したパートナー選びをしてしまうと、継続的な品質改善やコストダウンが得られない可能性があります。
アウトソーシングコンペを行うには以下の点に留意して頂きたい。
①現状のサービスレベル・コストを明確にしておく
②可視化(数値化)できるものは、できるだけしておく
③RFP(提案依頼書)に品質・コストを明確にし共通のフォームでの回答を得られるようにする。
特に、③はコンペそのものの期間や選定の時間を大きく左右する事があります。
物流企業側に、オリジナルのフォームで提案書や企画書を提出して頂いても、それを判断し選定するには大変な労力が発生してしまいます。
荷主側で規定のフォームを作り、そこに必要な情報を記入してもらえば 数社から取り寄せる提案事項が、共通フォーマットで比較検討できます。
与える情報も、各社不統一では適正な競争が出来なくなりますので、コンペを開催する場合は、このRFP(Request For Proposal)を荷主が作成する事を推奨します。
では、このRFPの内容はというと
①荷主が考える(要求する)アウトソーシングパートナーについて
②アウトソーシング領域について
③現状について(年間データ・月次データ・コスト・品質など)
④目標とする数値ターゲットについて(短期・中長期)
⑤スケジュールや今後の予定について
これら①~⑤までを荷主が共通情報として各社に配布して実施します。
物流に関わるデータに関しては、必要に応じてCA(守秘義務契約)を締結し、開示していきます。
最終コンペに残った2社~3社を絞り込むには、必ず『現場見学』を実施しましょう。
3PL企業が管理する現場を見学すると、その現場の品質やコストに対する運営レベルが一目でわかります。
提案書や企画者は、それなりに経験者が作成するとりっぱな作品が作れますが、現場は生きて稼動してますので、付け焼刃では取り繕う事は出来ません。
現場を任せられるセンター長や、現場全体の雰囲気なども項目を上げて、見学者全員で評価していくとその差は以外と見えてくるものです。