第180回 物流部門のBCP対策その1

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

■BCPとは

BCP(business continuity plan)とは、事業継続計画のことであり、その内容は企業が事故や災害など予測できない事態が発生した場合に、自社のコア業務を早期に復旧し継続させることで従業員を守り、顧客・取引先などの信用を高め、企業価値を向上する計画のことです。

わかり易く言い換えると、「緊急事態が発生した場合のリスクヘッジ策」となります。

緊急事態に遭遇した場合に限られた経営資源を活用して最低限(企業が存続可能な事業領域)の事業活動を継続させるには、復旧に要する対策を事前に講じ、関係各社へその情報を通知(共有)することが重要です。

BCPのキーファクターは、以下の通り5つとなります。

(1)コア事業の選定
(2)経営資源の抽出
(3)経営資源の確保及び代用の準備
(4)計画立案
(5)情報共有

■物流に関するBCP対策

BCPに対する取組みを本格的に実施している企業は大企業を除くと多くはないのが現状です。

⇒既にBCP対策が完成している読者の方、akamine@f-logi.com まで導入に 至るまでのご自身の逸話などをメールして頂ければ幸いです。

しかし、インフルエンザの流行や地震列島と言われる国内の事業には、今度避けては通れない経営戦略の一環とも言えます。

物流部門の方がBCP対策を講じるには、上記”BCPキーファクター”を物流部門事業に置き換える必要があります。

(1)コア事業の選定⇒在庫品の管理
(2)経営資源の抽出⇒管理人材、受発注システム、物流アセット(倉庫等)
(3)経営資源の確保及び代用の準備⇒連絡網、代替システム、耐震化
(4)計画立案⇒部門内計画の策定
(5)情報共有⇒関係者への通知及び非常事態宣言のルール化

今号より、荷主物流部門の対策と物流事業会社の対策をシリーズで考察していきたいと思います。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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