第177回 物流アウトソーシングの落とし穴(10)~問題解決アクションプランの策定~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

■合意形成の明文化

現状の課題・問題点を解決することによって、物流に関わる整理統合が行われます。

直ぐに取組まないと成らない問題点と、時間をかけて解決を図る課題などを混合すると、その効果が薄れてしまったり、先送りにしたことが原因による二次災害などもあり得るからです。

荷主企業と物流企業とは、物流アウトソーシングの運用に関して様々な議論が行われます。

議論によって決められた内容は物流アウトソーシングの約束であり、前提条件ともなります。

課題や問題点の現状認識を共有し、その発生要因なども明確にすることで解決の方策も導き易くなります。

物流アウトソーシングには、荷主企業と物流企業間において様々な取り決めがありますが、両社によって議論が行われ合意された内容は意見の一致した方策として明文化することが重要です。

後々となって、言った言わないなどのトラブルを避けるためにも、前提条件やルールに関わる事柄は、文章として記録に残すことが双方にとっての揉めないリスク回避策でもある訳です。

■アクションプランの策定

抽出した課題・問題点は時系列に置き換えることによって、今すぐに対処しなくては成らない問題点が先送りされることなく、善処に向けての取り組みが実行できます。

課題・問題点を時系列に置き換える場合は、次のような視点を取り入れることによってアクションプランをわかり易く作成することが可能となります。

第一は自身の所属する部門で取組むべき課題。

第二は自社にて取組むべき課題。

第三は取引相手や顧客(荷主と物流企業、物流企業と協力会社、荷主と購買先・納品先)を巻き込んで取組むべき課題となります。

お互いの課題・問題点を区別し、双方が関わり合う内容とはバランスよく志向することすることが肝要です。

双方の間で全ての整理が終わったら、アクションプランを作成し計画立てて問題解決に取組む手法が改善を実行する上でのロードマップとなります。

次号に続く。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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