第151回 ファイナンス3PLの展望(3)~物流と金融の融合ビジネス「リファクタリング」とは~

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

「リファクタリング」

物流事業者が提供する「リファクタリング」は、市場に定着できるサービスと成りえるのだろうか?

その答えは、3年から5年後には明確になっていると思います。

金融機関が提供する「ファクタリング(売掛債権譲渡)」は、既に浸透された金融サービスであり、キャッシュフロー重視の現代経営では今後拡大が予想される資金調達手法でもあります。

企業活動における売掛債権などを金融機関へ譲渡し、自社のフリーキャッシュフローを向上させ、回収におけるリスクを回避することが、その目的となります

国際フォワーダーが提供する「リファクタリング・サービス」とは、輸出者(荷主)の貿易債権(売掛債権)を物流企業であるフォワーダーが買取り、その債権をバックファイナンサーへ再譲渡するシクミになっています。

債権やそれに伴うリスクを再譲渡することについて、一般的には馴染みがないように感じますが、運送の再委託や物流センター運営の再委託と類型した金融サービスとなります。

リファクタリングをする企業を「リファクター」と言い、再譲渡を受ける企業を「バックファイナンサー」と表現します。

バックファイナンスは、銀行や商社が中心的に利用していますが、一般の企業も、国内外に関わらず自社の売掛債権を譲渡するファクタリングサービスとして年々利用が増加しています。

「人(フォワーダー)物(商品)金(ファクタリング)」が一体化し、同じ情報を共有する「リファクタリング」は、『物・債権・リスク』が一本のラインで繋がり、規定によって移動(この場合譲渡される)する”ワンストップ型貿易システム”となります。

インターネットの普及により、全世界が今後の商売相手となります。

アジアや欧州や南米からも、WEBを通じて商品の購入依頼(オファー)が来ることが想定されます。

新規顧客の開拓・販路の拡大など、インターネットが営業マンに変わってセールスを担うことが実現されている現代では、「決済と物流」が大きな課題となり、グローバル展開を行ううえで、欠かせない最重要機能となります。

国際フォワーダーが、全世界の与信窓口となり、荷主企業のキャッシュフローを向上し、貿易商品を全世界へ届けることが可能となった、「リファクタリング」サービスは、ネットの普及に併せて成長する時代の潮流に乗った画期的な展開型ビジネスではないでしょうか。

次号に続く。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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