第125回 縮小化時代における荷主施策その2

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

オペレーションギャップ編

荷主企業が物流アウトソーシングを社内決定し、委託先の選定を行う上で一般的な手法として、『物流アウトソーシング コンペ(以下 物流コンペ)』を開催します。

物流コンペの手順としては、荷主企業側でプロジェクトチームを発足し、複数社の物流企業からのサービス内容や料金に関する提案を基に、その委託先の選定を行います。

この際に重量なのは、RFP(提案依頼書:Request For Proposal)を物流企業へ提供することであります。

RFPがどれだけ丁寧に作成でき、委託する物流の概要や諸条件が明記されているかによって、物流コンペの合理化と選定における平等化が図れます。

RFPの出来具合によって、物流コンペの成否が決まると言っても過言ではありません。

その他に荷主側PJチームの重要な役割としては、物流企業からの提案書及びプレゼンテーションと、実際の現場運営における『オペレーションギャップ』を精査する事であります。

料金に関しては、RFPを提出する事によって物流各社の評価はわかり易くなりますが、現場運営力に関しては、提案書やプレゼンだけで判断するにはその後大きな問題が起こり得ることが考えられます。

物流企業の既存取引先や過去事例なども重要な評価項目となりますが、当該業務を実際に提案書通りの継続運営が可能かを見極めないと成りません。

この将来における継続運営の可能性判断が、最も重要な評価基準となります。

物流アウトソーシングにおいてのオペレーションギャップとは、まさにこの継続運営の見込みが崩れる事によって発生するリスクであります。

将来の経済活動変化による、拡大・縮小に対してどれだけ真摯に順応してくれる物流企業と取引をしていくかが、今後益々重視される荷主施策となります。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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