運送会社が荷主を選別する時代に考えること-宅配便のこれから-
EC市場の成長と宅配便の増加
現在、EC市場ではアマゾンや楽天などを筆頭に大手メーカーや大手小売チェーンの自社サイトが競い合っています。経済産業省によると平成30年では18兆円規模の市場にまで成長しており、年々拡大しつつあります。
今年は新型コロナウイルスの影響で、店舗に行かずにインターネットで購入する方が増えているのではないでしょうか。
事実、宅配便個数の推移(下記グラフ参照)を見ても年々増加していることが読み取れます。
消費者にとってECは、自分の都合の良い時間に、どんな場所でも簡単に商品を探して注文できるため、コロナの時代でも最適な購入方法です。そのため、EC市場の成長は今後も拡大していくことが考えられます。
宅配便大手3社のサービス改定概要
宅配便個数が増加する中、下記の表は宅配便大手3社でのサービス改定概要になります。
3社とも軒並み値上げ傾向にあります。値上げの要因としては、働き方改革による労働法が改正されたこと、人手不足が挙げられるかと思います。
残業時間は年間360時間以下(最大延長でも720時間未満)にすることが決まりました。運送ドライバーは、残業時間は年間960時間(月80時間)を超えない範囲と決められ、2024年3月までという猶予が設けられました。
現状の業務内容では、ドライバーの残業時間を法律の範囲内にするには、再配達の削減など様々な壁があるかと思います。
2030年までには運輸・郵便に関わる人が21万不足する見込みとなっていますので、今後も厳しい状況が続き、運送会社が荷主を選別する時代となっていくことが考えられます。そのため、荷主としては運賃を抑制するために何かしらの対策を講じる必要があります。
貨物軽自動車運送事業者数の推移
ドライバー不足や残業時間の問題があげられていく中で、注目すべきは、貨物軽自動車運送事業者数が昨今増えていることです。
1都3県ではありますが、貨物軽自動車運送事業者数及び車両数の推移は下記の通りになります。
こちらの表からは年々増加傾向にあるのがわかります。
宅配便大手3社のように全国配送は難しいですが、エリア限定であれば配送が可能な地場共配業者も増えてきています。
荷主としては
・出荷エリア(運送便)ごとに荷物を仕分ける必要がある
・各社の送り状発行など事務処理が増える
・サービスレベルの不統一
などデメリットもあるかとは思いますが、大幅な値上げや集荷個数の制限などがあるようでしたら一部地場共配業者へシフトすることも選択肢としてもっておく必要があるでしょう。
取り組み事例
当社の顧客でも、年末に物量が増加し集荷個数の制限がかかり納期のスケジュールに困っており、且つ、同時に宅配便の料金を抑制することが課題にあげられていました。
当社では軽自動車での日用雑貨品のエリア限定配送を手掛けており、関東1都3県のエリア限定での配送を行うことで、3%~5%ほどの運賃コストを下げることができました。
運用開始まで確認すべき諸条件はありますが、1都3県のエリア限定で配送を検討される企業はお気軽にご相談ください。
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- 概要
- 大都市圏(関東エリア、関西エリア)に特化した宅配便(toC向け)法人契約サービスです。荷物を受け取るユーザーへのサービスとして、不在時の対応、代金引換(※現金のみ)など、他社と比較しても遜色の無いサービスを低コストで提供しています。
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