荷主企業の皆さん、最適な運送事業者や運送便を選定されていますか
コロナの影響により企業環境の変化がより加速しています。企業経営におきましては、早急な変革が求められているのではないでしょうか。
物流業界の課題
物流業界においては、トラック運転手不足、長時間労働、生産性(積載効率や稼働率)の低さ等の課題は解決されていません。今号では、トラック運送業界の多層取引構造になっている点に注目したいと思っています。
荷主企業の皆さんが提供を受けられているトラック運送サービスは、3次受託者である運送会社さらには4次受託者である運送会社によって実際には運送オペレーションをおこなわれていることも少なくありません。
大手の荷主企業は依頼する荷物量が多く、物流子会社や元請運送会社に対する影響力が大きいです。また、共同配送体制の構築も主体となって取り組みやすいです。
一方で中堅中小の荷主企業は、大手の荷主企業のように元請運送会社対する影響力は大きくなく、自らの荷物をベースカーゴとしてトラック運送事業者に運送サービスの構築を依頼することは困難です。
特に企業間物流における中小ロットの物量における運送コストは、大手の荷主企業様と比べると不利となる場合が多かったのではないでしょうか。
しかしながら、最近ではすべての荷主企業は、デジタルマッチングを活用することができる環境になっています。
また、デジタルマッチングを上手に活用することで、トラック運送業界の多層取引構造となっているデメリットを解消できる可能性が高まります。
トラック運送事業業界においては、取引の多層構造のため各段階で介在する運送事業者のムダなマージンによって、実運送会社の収益が圧迫されています。
従来のようなアナログでの運送マッチングサービスの手法だけではなく、デジタル技術の組み合わせを活用することを検討されてみられてはいかがでしょうか。すべての荷主企業とっては、自社の条件に合ったマッチングサービスを活用することで、最適な運送事業者や運送便を選定できるようになります。
その結果、荷主企業は、合理的な運送コストで最適な運送サービスの取引を成立することができます。
運送マッチングサービスについて
それでは、運送マッチングサービスについて考察していきましょう。
運送マッチングサービスは、三型に分類することができます。(1)エージェント型(主に人力の利用運送型の事業者)(2)掲示板型(人が介在せずに、システム上で物流情報サービスを提供)(3)シェアリングエコノミー型(近年の登場しているデジタルシステムマッチングビジネス型)があります。
(1)エージェント型
荷主企業は、求めている運送サービスが一律ではないことも多々あります。この場合は、(1)エージェント型のマッチングサービスを上手に活用するによって、運送会社や運送便を選定することをお勧めします。
(1)のエージェント型は、荷主企業のニーズが多様化し包括的な物流サービス(輸配送エリアの設定・保管・庫内作業、物流情報サービス等)が必要な場合には、多層取引の構造のなかで運送会社間の経営資源を相互に補完しながらサービス提供できる点において期待できます。
一方で、運送会社間の取引関係が多層化するデメリットとして、荷主企業が支払う運賃と実運送会社が収受する運賃に格差が生じます。特にシンプルな運送サービスを受けたい場合は注意されると良いと思われます。
(2)掲示板型
(2)の掲示板型は、運送費用をローコストで抑えることができますが、荷主企業が運送会社や運送便を選定するまで時間を要し、選定した運送サービスやコストが最適であるか自社で比較することにも手間がかかることも想定できます。
(3)シェアリングエコノミー型
(3)シェアリングエコノミー型は、デジタルマッチングシステムを活用した選定方法であり、荷主企業が求める運送サービスがシンプルな場合、取扱いマージンは最小限に抑えられて最適なマッチングであることを期待できます。
ただし、荷主企業の求めているニーズが多種多様となる運送サービスもしくは取引条件が複雑な場合、さらにはすべての輸配送サービス領域が広い場合においては、デジタルマッチングを活用することが難しいと推察しています。
とはいえ、将来的にはシステム登録される荷主企業や運送事業者および運送便が増えることが予測されます。さらにテクノロジーの進化によって、より便利で使いやすく、運送サービスのマッチング精度が上がるため、荷主企業のニーズに適合したサービスをより提供できるものと期待しています。
結論
特に中堅・中小の荷主企業で、自社にとって最適な運送サービス及びコストを選定したいが、どのような運送マッチングサービスを活用するべきか検討される場合は、ぜひ当社に相談いただけると幸いです。
おすすめ情報
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