物流部が知っておくべきノウハウ・事例 2020.10.20

物流委託先との定例会議のススメ-どんな内容を話すべきか-

コロナ禍で問われる荷主-物流現場の関係性

突然ですが、荷主企業の皆様は自社の物流現場の方と定期的に情報交換を行う場を設けていますか?
新型コロナウイルスの感染拡大により、消費者の動向が大きく変わり、様々な業種・業態で売上高に影響が出ています。
売上高の増減に伴い、当然物量も増減しています。
7割経済と言われる各社過酷な状況下であっても大きく売上高を伸長されている荷主企業もありますが、物流現場でもうれしい悲鳴が上がっているとは限りません。
物流現場は過去実績および販売計画を基に物量を想定し、その物量に合わせて設計しているため、想定の範囲外となるような急な物量の増減、出荷ロットの拡縮、取扱SKUの改廃などにより、現場は大きな混乱に陥ります。
このような混乱が発生すると、「売れるのに出せない」という事態になりかねません。

物流現場の混乱を少しでも抑制するために、荷主企業の皆様は物流現場と密に情報連携できる関係性を構築することと共に、荷主サイドも物流サイドの実態をしっかり把握しておく必要があります。

委託先物流企業の実態

多くの荷主企業では物流をノンコア業務として物流企業に委託されています。
委託により、入出荷に関する予定共有および指示を出すことで物流業務全般を進めてもらえるため、物量に合わせた車両の手配や作業者の手配も不要となります。

しかし、多くの荷主企業は当初の条件としていた与件以外のサービスも物流委託先に依頼し、物流企業も顧客確保のために「他社との差別化」として無償で対応することも多くありました。
例えば出荷の際に特定の顧客には指定したラベルを貼付する作業や出荷指示締め時間を超過した緊急出荷指示などが挙げられます。
これらには計画外の工数を要し、作業人件費が原価として膨らむため、利益が薄くなります。

多くの物流企業はそれでも売上確保のために業務を続けますが、いつか運営に限界が来ます。
つまり、物流企業から荷主企業に解約通知書が発行される事態となります。

物流企業からの解約通知は絶対に避けたい理由

業務委託契約書には両社ともに契約開始から一定の期間を経て解約可能な途中解約の条項が明記がされていることが多くあります。
この期間は企業によって異なりますが、長くて6ヵ月前通知となっていると思われます。

まず荷主企業の皆さんは、あらためて契約書を見直し、どれだけ解約までの期間があれば次の委託先を見つけることができるか確認してみてください。
新たな物流企業に自社の物流を伝えるための資料はそろっていますか?
既存委託先の中でブラックボックス化している作業があれば抽出は簡単ではなく、もれなく伝えることはもはや不可能でしょう。

また、WMS等の物流管理システムが委託先企業の所有物である場合、新たに開発するだけでも半年以上を要します。
そして、間違いなく物流コストは大幅に上昇します。
受託する物流業務が不明確である場合、余裕を持った設計でしか物流企業も提案できないからです。
実際に運用してオーバースペックとなった部分は返却し、再見積もり可能という荷主企業にとって都合のいい提案をしてくれる物流企業があればいいですが、あまり期待はできません。

最悪の場合、委託先候補がすべて辞退することも考えられます。
その際は自社で運営する他ないため、倉庫を探し、作業者を雇用し、車輛を手配しなければなりませんが、十分な出荷機能や品質に至るまで1年はかかると思われます。
その間に多くの顧客を失うことも考えられ、経営にクリティカルなダメージとなることも考えられます。

不安を煽るような内容ではありますが、物流機能を委託しているからといって実態を全く把握していなければこのような事態も十分考えられます。
そこで必要となるのが、定例会です。

委託先との定例会では何を議題とするのか

定例会といっても、集まって雑談するだけでは親睦が多少深まるだけで、物流の実態抽出には至りません。

では、両社で何を議題として実施すべきでしょうか。
代表的なものは「直近の物流事故」についてです。事故の経緯を確認する上で、運用方法や作業者の状況なども抽出できるため、運用フローの作成により、現場の状況を可視化できます。
フローを確認する中で、委託先に対して過度なサービス提供を求めている部分も明るみになるかもしれません。

また、「現場作業者からの要望」についても確認するようにしましょう。
荷主企業内の小さな働きかけで物流現場に大きく貢献できることも少なくありません。
物流現場の実態を把握しながら、互いに歩み寄る関係性を構築することが大切です。

当社では3PLとしての機能を有しておりますが、顧客である荷主企業、パートナーである物流企業の双方と定期的に情報交換の場を設けています。
様々な視点からの情報が集約されるポジションにあるため、新規でご相談いただいた荷主様にも実態に適したご提案が可能です。

コロナ禍において物流パートナーを再検討される際には、最適な物流体制を構築し、定例会を主導して貴社に代わって問題解決を推進致しますので、是非一度ご相談ください。

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Pen Iconこの記事の執筆者

萩下 元貴

船井総研ロジ株式会社 主任コンサルタント

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