商品在庫(物流)を伴うEC事業展開を検討されている荷主企業が知っておくべき物流知識
目次
物流業界の現状
コロナウィルスが私達の生活様式や企業のビジネスモデルに影響を与え始めて約半年が経過致しました。
刻々と変化するウィズコロナ時代における物流業界の現状と大きな傾向は以下の通りです。
(1)明暗分かれた配送事業者への影響
巣ごもり需要が後押しし、宅配貨物の取り扱い数が昨年までの増加傾向よりも更に加速しております。
そして、多くの企業がECに活路を見出そうとしている現況において、今後も宅配事業の需要は確実に拡大し続けていくでしょう。
一方で、企業間物流を主戦場とした路線事業者は苦しい情勢が続き、需要の回復には時間がかかる見込みとなります。
(2)逼迫している物流倉庫のスペース
多くの業界で在庫回転率が悪化しており、全国的に物流倉庫のスペース不足が顕在化しております。
更に昨今の消費者意識の変化によって、家庭用食品の需要が高まっており、この需要は今後も継続する事が予測されます。この影響によって、冷凍・冷蔵倉庫についても需要が現状よりも高まっていく事でしょう。
上記以外にも様々な影響は存在しますが、最も目立つ現状は上述の通りとなります。
EC事業展開を検討する荷主企業が知っておくと良い視点
これまで店舗型ビジネスを戦場としてきた荷主企業も流通経路の変化を求められ、EC事業へ注力する企業がますます増えるのではないでしょう。そして、EC展開で販路を開拓・拡大する際のほとんどの場合、物流体制の構築や整備が必要となります。
本項では、EC事業展開を検討する荷主企業が、物流面で留意すべき点を少しお伝え致します。
(1)既存配送サービスの特徴を把握する
現状、国内全国の個人宅宛に配達が可能な配送サービスの選択肢は多くなく、大手3社の企業様の安定した配送サービスからの選択となる事が多いでしょう。
この大手3社の配送サービスに優劣は無いですが、得意な商品性質やリードタイムや追跡機能の有無など、それぞれに特徴が御座います。
一般的にEC事業の物流費の内、配送費の比率は55%~70%弱であり、物流費の半分以上は配送費が占めます。
EC事業を展開するに際には、自社の商品特性とエンドユーザーに提供したい配送品質に合った配送サービスを選択し、適正な配送コストで商品発送が行える様に情報収集をまず行いましょう。
(2)配送方法の選択肢を多く保有出来る商品提供体制
上述の通り、現状1社単位で日本全国に商品をお届けできる配送サービスの選択肢は多くありません。
しかし、昨今はエリア限定の宅配サービスの展開を検討している中堅規模の運送会社も増えております。
一事例として、受注から発送までのリードタイムや時間指定などの配送条件をほんの少し調整し、エリア宅配サービスを部分的に活用する事で、より安定した費用で商品を提供出来る物流体制構築に成功している企業様の例も御座います。
上記の例の様に、様々な配送サービスの活用を選択肢として検討出来る様に、商品の提供体制を柔軟に設定する事は物流体制構築時にコスト・継続性の面で効果的なアプローチとなります。
当然、最適な形は荷主企業ごとに異なりますが、全国対応可能なインフラを持つ大手宅配会社に一括するのか、エリア宅配などのサービスも併用するのか、自社に見合った体制の検討は確りと実施すべきでしょう。
(3)物流事業者と信頼関係を構築しやすい物流体制の構築
アウトソーシングを前提に検討されている企業様に限られますが、物流企業から長期的に取り引きをしたいと思われる為の信頼関係を構築する事は肝要です。
EC物流は、保管のみでなく何らかの流通加工が伴うケースが多くなる為、高付加価値を提供出来る会社(高生産性・改善提案の実施等)、荷主視点で業務調整を検討出来る優秀な物流人材が存在する会社を見極めてパートナーとなる事は、表面的なイニシャル費用以上に重要です。
そして、パートナーとなった物流事業者と荷主企業が、お互いの仕事を理解した信頼関係を構築する視点を持って物流体制構築を行う事が、結果的に荷主企業が自社の物流を安定させる事へと繋がります。
新規展開及び拡大時の物流企業の選定時には、上記の内容も是非念頭において頂くと良いでしょう。
船井総研ロジの3PLサービスは、荷主企業視点のニーズに寄り添い、企業ごとの最適な物流事業者の選定から、物流企業との交渉・調整・管理(適正なパートナーシップを構築する為のサポート)までを徹底的に実施させて頂く包括的な3PLサービスです。
今回は簡潔なポイントを少しだけ記述させて頂きましたが、EC事業を展開されている荷主企業様に対しても、物流体制のデザインから提案したデザインの実行支援、更には直接的な運営の補助もさせて頂く所まで多数の実績が御座います。
今後、新たにEC事業展開を検討されている企業様、EC展開以外でも既存の物流体制に少しでも課題を抱えていらっしゃる企業様も是非一度お問い合わせをお待ちしております。
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