付加価値を生み出す物流とは

Pen Iconこの記事の執筆者

新関 崇浩

船井総研ロジ株式会社 シニアコンサルタント

サービス/共同配送網構築

今後、少子高齢化の進展など社会構造が変化していく中、我が国が競争力を強化し持続的に成長していくためには、インフラたる物流がその機能を十分に発揮していく必要があります。

そこで、今号では、付加価値を生み出す物流(強い物流)を構築していくという目標を掲げ、実務面での支援をさせて頂いている包装材メーカー様で取り組んでいる内容についてお話をさせて頂こうと思います。

指針の決定

意外に思われるかも知れませんが、我々が第一に行った事は、指針の策定です。
当該包装材メーカー様では物流面での行動指針や今後の方向性が曖昧で、社内でも意見が分かれるという状況に陥っており、さらに、取引先数社からは物流面でのクレームがあり、取引の見直しにまで発展している状況でした。

このままでは、弊社が実務面での支援をさせて頂いても効果が限定的であるか効果が出ないという状況になると判断した為、社長以下幹部に集まって頂き、社内での物流指針を作成するに至りました。

その際に作成した指針は以下の通りです。
(1)人財や設備等の資源を最大限活用してムダのない構造を構築する
(2)社会構造の変化やニーズの変化に的確に対応する
(3)高い付加価値を生み出す物流へと変革する

会社の現在位置を確認頂き、今後どうしていく方が良いのかというベクトルを合わせる作業から入る事で、物流面での効果の出方も大きく変わってきます。

一見、手間で遠回りしているように感じるかも知れませんが、目標を決める(=登る山を決める)事は何においても非常に重要な事ですので、物流における今後の方向性が曖昧という企業様は、この機会に考えてみる事をおすすめいたします。

物流の効率化策定

次に着手したのは、物流の効率化策定です。
物流効率化策定に向け、主に以下に関する内容を確認します。
・物量の変動要因及び緩和するための方法模索(ムラの把握)
・物流環境の整備状況(ムラの把握)
・荷姿・荷量等の荷物に関する情報の開示(ムダの把握)
・荷出側及び荷受側での荷待ち時間状況(ムダの把握)
・契約物流業者数及び契約タリフ(ムダの把握)
・輸送モード間の連携(ムダの把握)

情報を収集していくと、複数箇所で改善を行わなければならない問題が見つかります。
今回のケースでは、契約物流業者数が7社存在し、都度使い分けを行っていた為、出庫作業に時間を要し、倉庫作業員の時間外労働増加及び物流業者の荷待ち時間発生。
それから、物流波動に柔軟に対応出来ないという点が大きな改善ポイントであると判明しましたので、契約物流業者の峻別を行うとともに共同配送網構築を行なう事としました。

この際、留意したポイントは、契約物流業者のプレゼンス力維持にあります。
共同配送網構築の際にもリスクがありますので、配送品質やコスト面の検証を行った後に、領域を拡大していくのが得策です。
契約物流業者との関係性を維持しておかなければ、共同配送で問題が発生した際のリカバリーが出来なくなってしまいます。
当社が支援している包装材メーカー様においては、契約物流業者との関係性を考慮し、棲み分けを行いながら、共同配送網を構築した結果、物流コストの削減や業務の効率化、庫内作業員の時間外労働削減という実を手にできるまでに至っております。

今回、事例として挙げている包装材メーカー様からは、物流のコンサルティング会社からの支援を受けた事で、本来やらなければいけない物流面での課題から目を背ける事なく向き合い、成果を上げる事が出来たとお声を頂いております。

物流面での課題は感じているが、なかなかそこまで手が回らないという企業様も多いのではないかと思います。
当社では、ヒアリングからお金が発生するという事はございませんので、物流面での課題がございましたらご相談頂ければと思います。

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