物流×ESGはなぜ進まない?3つの理由と物流との関係性について

井上真希

Pen Iconこの記事の執筆者

井上 真希

船井総研ロジ株式会社 ロジスティクス支援部
東京コンサルティンググループ チームリーダー チーフコンサルタント

製造業・小売業・ECを中心とした荷主企業に対して、物流倉庫の改善提案・在庫の適正化・管理の提案を行っている。また、物流子会社の評価や在庫管理・分析を得意とし、分析を軸にした物流改善にも従事。近年は、サステナビリティ・ESG領域における専門的な物流コンサルティングにも取り組んでいる。​

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近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)への対応は企業経営において欠かせない要素となっています。特に、物流業界では環境負荷低減や労働環境の改善は重要課題となっています。

しかし、多くの企業が「ESGの必要性は認識しているが、事業活動とどのように結びつけるべきかが分からない」「コストやリソースの問題で実行に踏み切れない」といった様々な課題を抱えています。

そこで本稿ではESGの取り組みが進まない3つの理由を整理し、物流との関係性をお伝えします。

ESGの取り組みが進まない3つの理由

多くの企業がESGの重要性を認識していても、実行に落とし込めない理由として、以下の3点が挙げられます。

1.投資対効果が不透明

環境対応型の車両導入(EVトラック等)や再生可能エネルギーの活用等には初期投資が必要となります。短期目線でのコスト増加を懸念し、投資に踏み切れない企業が多いのが現状です。

日本において、多くの企業が短期的なコスト削減を最優先とし、ESG施策への投資を後回しにしていることが進まない1つの要因であると言えます。

2.ノウハウ・データ不足

ノウハウ及びデータ不足によりESGを実行するための具体的なロードマップが描けない企業が多く、特に短期的な利益やコスト削減に走る企業は、即効性の高い施策(事業活動)を優先し、ESGと効果的に融合させることができていません。「物流×ESG」に関する情報収集や自社に合った適切な指標設定が進んでいないため、どこから着手すべきかが不明確であることが要因と言えます。

3.関連部署との連携不足

ESGへの取り組みは単独の部署のみで成り立つものではなく、サプライチェーン全体の連携が必要であり、これらステークホルダーの共通認識と理解がベースにあって、推進する必要があります。

物流との関係性とは

環境に配慮した車両やシステム等新しいものを自社に取り入れることが、ESGへの取り組みになるとは限りません。

物流戦略における根幹の課題から取り組んでいくことでコスト削減を実現しつつ、ESGへの取り組みに繋げることができます(資料①)。

物流×ESGはなぜ進まない?3つの理由と物流との関係性について
資料①:物流におけるESG取り組み例

またESGの取り組みを推進するためには、会社全体及びすべてのステークホルダーの理解と社内の共通認識が必要不可欠です。今後はグリーンウォッシュ(上辺だけの環境訴求)と呼ばれる単なるアピールによる取り組みではなく、ESG経営における戦略的な実行が求められます。

当社では、ESGと物流を融合させた研修プログラムを提供しており、持続可能な物流を実現するための支援を行っています。ESGロジスティクス研修の詳細やその他サービス内容につきましては、下記資料をご確認ください。

【関連サービス】ESGロジスティクス研修

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企業に求められている、ESG課題・取り組むべきことの理解を深め、ESG経営実現への第一歩をサポートします。

  • 【受講すると以下のスキルが習得できます】
  • ✓ESGの基礎を理解し、説明できるようになる
  • ✓ESGとロジスティクスの関係性についてイメージできるようになる
  • ✓ESGを取り組まないことによるリスク、取り組むことによるメリットを理解できるようになる
  • ✓物流業界の他社事例から、自社で取り組むべきESG対応について検討できるようになる

【関連資料】ロジスティクスにおけるESG実行の手引き~経営に影響を与えるESG戦略の全体像~

物流×ESGはなぜ進まない?3つの理由と物流との関係性について
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  • ✓最近、「ESG」をよく目にしたり聞いたりするが、ロジスティクスに当てはめた戦略が進めずらい
  • ✓ロジスティクスにおける、ESG経営の具体的な取り組み事例について知見を深めたい
  • ✓社内の理解、協力を得るための提言ができない。ESG物流の実行までのプロセスが知りたい
  • ✓ESGと2024年問題の関連性を捉え、自社物流に反映させたい。反映させる方法を知りたい

井上真希

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井上 真希

船井総研ロジ株式会社 ロジスティクス支援部
東京コンサルティンググループ チームリーダー チーフコンサルタント

製造業・小売業・ECを中心とした荷主企業に対して、物流倉庫の改善提案・在庫の適正化・管理の提案を行っている。また、物流子会社の評価や在庫管理・分析を得意とし、分析を軸にした物流改善にも従事。近年は、サステナビリティ・ESG領域における専門的な物流コンサルティングにも取り組んでいる。​

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