投資家は見ている!企業価値を左右するESG指数
物流業界において、CO₂排出量の削減や労働環境の改善など、ESGへの取り組みが重要視されつつあります。物流に関わるESG課題を理解し、積極的に取り組むことは、企業価値の向上だけでなく、社会全体の持続可能性に貢献することにもつながるでしょう。
本日は、物流業界におけるESGの重要性と具体的な取り組みについてご紹介します。
目次
1.拡大するESG投資
ESG投資とは、財務情報だけでなく、企業のESGへの取り組みを考慮して行う投資のことです。従来の財務情報中心の投資とは異なり、長期的な視点で企業価値を評価し、環境問題や社会問題にも配慮した投資を行います。
NPO法⼈⽇本サステナブル投資フォーラム の「サステナブル投資残⾼調査」 では、2023年において総運用総額に占めるサステナブル(ESG)投資の割合は65.3%を占めています。
このことから日本では、ESG投資への注目が高まっており、荷主企業にとってもESG投資の観点から評価されることは、資金調達や企業のブランドイメージ向上につながります。
参考:NPO法⼈⽇本サステナブル投資フォーラム 「サステナブル投資残⾼調査」 より船井総研ロジ作成
2.意識すべきESG指数
ESG投資において、投資家はESG指数を参考に、企業の取り組みを評価します。ESG指数とは、企業のESGへの取り組みを評価し、数値化した指標のことですESG指数は、様々な機関が開発・公表しており、ここで代表的な指数を3つご紹介します。
FTSE4Good Index Series
環境・社会・ガバナンスの各分野における企業の取り組みを評価し、優れた企業を選定する指数です。
評価基準テーマは、環境保全への対応、人権の尊重、リスクマネジメントなど多岐に渡ります。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が投資指標として採用しており、日本企業への影響が大きい指数です。
Dow Jones Sustainability Indices (DJSI)
ESGの観点から企業を評価し、持続可能性(Sustainability)に優れた企業を選定しています。
企業の財務情報だけでなく、サプライチェーンマネジメント、人材開発、環境保護など、幅広いESG要素を評価するのが特徴です。
MSCI日本株女性活躍指数 (WIN)
時価総額上位700銘柄を対象に、女性の役員・管理職比率や男女間の賃金格差など、性別多様性に関する指標に基づいて構成されます。女性活躍を推進する企業に投資を促すことで、日本企業の競争力強化と持続的な成長を支援することを目的としています。
ESG指数は、投資家がESG投資を行う際の判断材料となるだけでなく、企業にとって自社の取り組みを評価し、改善を図るための指標としても役立ちます。
3.検討すべきESGロジスティクスへの取り組み
環境(Environment)
モーダルシフト・共同配送の推進、環境配慮⾞両への切替え、包装資材の削減
社会(Social)
安全性・生産性の確保、ワークバランスの向上、ダイバーシティの推進
ガバナンス(Governance)
コンプライアンスの遵守、情報開示の強化
さいごに
ESG指数を高める取り組みは、投資家からESG投資の観点で評価され、さらなる事業発展の資金調達や企業のブランドイメージ向上につながります。
皆さんもぜひロジスティクスの面からESG指数を意識してみてはいかがでしょうか。
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