ESG経営実現に向けた物流業界での取り組み例「環境配慮型パレット」

西川琉瑠

Pen Iconこの記事の執筆者

西川 琉瑠

船井総研ロジ株式会社
ロジスティクスコンサルティング部

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昨今、ESG経営への意識が求められていますが、これは物流業界も例外ではありません。物流業界では、ESG経営への取り組み例として共同配送やモーダルシフトなどによる「配送面での環境配慮」が注目されています。しかし、ESG経営は必ずしも配送面に限った話ではありません。

実は、環境に配慮されたマテハン(=マテリアルハンドリング)用品の導入も、ESG経営を推し進める1つの方法として考えられるのです。

今回は、そんなマテハン用品の一例として、環境配慮型パレットについてご紹介します。

企業経営とESGの関係性

そもそもESG経営とは何なのでしょうか?まずは、その定義についておさらいします。

内閣府によると、ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)を考慮した投資活動や経緯・事業活動を意味しています。

元々は投資活動から始まった概念でしたが、昨今は企業経営においてもESGに配慮する傾向があり、必ずしも投資に限定されるものではないとされています。(注1) また、ESG経営はSDGsとも密接に関係しており、「持続可能な企業構築」を目指すうえでは欠かせない観点となっています。

注1:内閣府「ESGの概要」

物流面におけるESG経営

船井総研ロジでは、ロジスティクスに特化したESG施策を「ESGロジスティクス」と提唱しており、図1のように定義付けています。

ESG経営は、持続可能な企業を目指すうえで欠かせない指標となります。また、ESG経営を進めることで環境リスクを軽減し企業の安定性を高められるだけでなく、企業ブランド価値の向上にも繋がります。

ESG経営実現に向けた取り組み例「環境配慮型パレット」について解説
図1:ESGロジスティクスの概要

環境配慮型パレットとESG経営の関係性

ここでは、環境配慮型パレットがE・S・Gそれぞれの面でどのように関係しているのかを解説します。

● E(環境)の観点

環境配慮型パレットは、バイオマス配合の再生プラスチックや木質繊維等の再生可能資源を使用して製造されています。これにより、資源の消費を抑え、製品製造における環境負荷の軽減に貢献することが可能です。

● S(社会)の観点

環境配慮型パレットは、使用されている素材により軽量化が進んでいます。そのため、労働負荷の低減や、安全に配慮した物流環境を構築に貢献できるのです。

● G(ガバナンス)の観点

環境配慮型パレットは、企業のコーポレートガバナンスを強化する一環として位置付けられます。今後さらに環境規制が厳しくなる中、環境配慮型パレットを採用することで法的リスクを軽減し、ESG経営の促進につなげることができるのです。

さいごに

このように、環境配慮型パレットはESG経営の実践において重要な要素となり得ます。企業が持続可能な選択を行うことで、将来的な環境関連の規制に適応しやすくなり、総合的に経営の質を向上させることが可能です。

今回はESG経営の取り組み例として環境配慮型パレットをご紹介しました。 パレットに限らず、企業にとって持続可能な選択を常に行うことがESG経営への近道となりますので、ぜひ意識していただきたいと思います。

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