物流における脱炭素戦略~配送ルートの見直し編~

井上真希

Pen Iconこの記事の執筆者

井上 真希

船井総研ロジ株式会社 ロジスティクスコンサルティング部
チームリーダー チーフコンサルタント

製造業・小売業・ECを中心とした荷主企業に対して、物流倉庫の改善提案・在庫の適正化・管理の提案を行っている。また、物流子会社の評価や在庫管理・分析を得意とし、分析を軸にした物流改善にも従事。近年は、サステナビリティ・ESG領域における専門的な物流コンサルティングにも取り組んでいる。​

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物流領域における脱炭素戦略と一口に言っても「実際に何から着手すべきであるか」という点は社内で議論になることが多いのではないでしょうか。当然、企業によって置かれている環境や物流課題は異なるので、取るべき戦略は変わってきます。

今回はコスト削減(抑制)が期待される脱炭素戦略の1つである「配送ルートの見直し」について解説いたします。

脱炭素化の必要性と現状の課題

昨今、物流業界において脱炭素化に向けた取り組みに期待が寄せられています。パリ協定を大きな契機として、「2050年カーボンニュートラル」を目標に掲げ、具体的な削減目標が求められています。

日本国内のCO2排出量(10億3,700万トン)のうち、運輸部門からの排出量は約10~20%を占めています。特にトラック輸送の排出量は、その内の9割と大部分を占めており、業界全体での脱炭素化が急務となっています(資料①)。

日本において運輸部門が産業部門に次いでCO2排出量が多い要因は様々ありますが、輸配送面における無駄な動きや積載率の低さ(空気輸送)などがCO2排出量を押し上げる要因となっています。サスティナブルな物流構築には、効率化と一体化させた脱炭素化への取り組みが必要です。

物流における脱炭素戦略~配送ルートの見直し編~

資料①:国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」より船井総研ロジにて作成

配送ルートの最適化に向けた基本ステップ

Step1:既存配送ルートの現状把握

配送ルート最適化の第一歩は、現状を把握することです。これにより、どの部分を改善するべきかが明確になります。まずは発地から着地までの配送ルートを可視化し、無駄なルート組が発生していないかを確認します。配送元から配送先までの距離、配送時間、配送頻度、使用車格まで定性情報を整理できれば、より課題を明確にすることができます。

Step2:物流条件の把握

荷姿、指定時間、荷役作業内容及び荷役時間などの物流条件は配送ルートを見直す際に必要な情報となります。また既存の物流条件において必要性を改めて確認し、条件緩和の余地があるか否か、見直しを行う必要があります。

Step3:物量データの整備

配送ルートの正確性と車両の積載効率を高めるためには、物量データ(荷物サイズ・重量・個数)が必要です。積載荷量に応じて適正な車格を使用することで効率面だけでなく、コスト削減にも繋がります。

物流効率向上に繋がる脱炭素戦略

物流における脱炭素戦略は単なる環境負荷軽減だけでなく、物流効率化コスト削減に大きく寄与します。

■環境負荷軽減:最適な配送ルート組みを行うことで全体的な走行距離を短縮し、CO2排出量の低減に繋がります。

■コスト削減:配送ルートの見直しにより、空気輸送及び無駄な動きをなくせることで物流コスト削減(運賃や人件費等)にも繋がります。

さいごに

物流業界における脱炭素に向けた取り組みは多岐に渡ります。本稿では脱炭素戦略を切り口に「配送ルートの見直し」について解説しました。

前述の通り、脱炭素戦略は単なる環境対策に留まらず、物流効率の向上、コスト削減、競争優位の確立など様々なメリットがあります。

まずは、「配送ルートの見直し」から脱炭素戦略を進めてみませんか?

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チームリーダー チーフコンサルタント

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