2020年 中国宅配市場 最新レポート
中国国家郵政局は2021年5月8日に、最新の中国宅配業の発展状況「2020年中国宅配便発展指数(CEDI)」を公開しました。当レポートでは、日本語で要点をお伝えします。
1.中国宅配便発展指数とは
2021年5月8日、中国国家郵政局が「2020年中国宅配便発展指数(CEDI)レポート」(※1)を発表しました。2020年の中国宅配便発展能力指数は1259.1で、2019年の指数998.3比26.1%増でした。過去4年間(2017年から2020年)の年平均成長率は23.6%に達しています。
CEDIとは、国家郵政局と国家統計局が2010年の指数を100として、中国の宅配便の発展状況と発展水準を評価したものです。業界内外の専門家の意見を幅広く聞き取った上で設定しており、業界の変化や将来の発展傾向を全面的に反映しています。
2010~2020年中国宅配便発展指数
2.2020年 中国宅配便 市場動向
2020年、中国宅配便の個数は833.6億でした。前年同期比31.2%増、約200億、増えています。世界の宅配便の個数の約6割を占めており、連続7年、世界第1位の物流大国となっています。
新型コロナウイルスが中国経済に悪影響をもたらした一方、コロナが落ち着いた3月以降は、Eコマースの成長がコロナ以前の水準を遥かに超えたため、社会全体の経済回復をもたらしました。
2020年、宅配企業の日平均処理数は前年同期比35.3%増、2.3億件を超えました。最大日処理数は、6.8億件で前年同期比25.9%増です。中国宅配便市場収入は、昨対比17.3%増の8795.4億元(約14.94兆円)に達しました。
2018~2020年中国・日本宅配個数(億件)と昨対比(%)
なお、日本国内の宅配市場数値は、国土交通省が発表しています。2019年のデータでは、年間43.2億個となっているので、中国の物量と成長率が、いかに大きいかが分かると思います。
3.中国のEC市場の成長を後押しするライブコマース
中国の宅配便市場が、これほど早く発展を遂げたのは、Eコマース市場の成長と深く関わっています。2020年のオンライン小売額は同比10.9%増の11.76兆元(約200兆円)を超えています。これは日本全体のGDPの約45%の水準です。いかに大きい市場かが理解いただけると思います。
2020年前半はコロナ禍で人々が在宅を余儀なくされたため、オンラインショッピングが急拡大、ライブコマースの認知度が一気に広まりました。2020年12月時点で中国ライブコマースの利用者数は3.88億人で、ネット民(9.89億人)全体の39.2%を占めました(※2)。
スマホの普及率とECユーザーの高齢化傾向が続きますので、ライブコマースが今年に入ってからも中国のEC市場を躍進させていきます。
ライブコマース利用者だけではなく、中国政府もライブコマース産業の成長に応援しています。そこで中国国家郵政局は、2021年の中国宅配便の個数は前年同期比20%増の1,000億件に達し、宅配収入は同比18%増の10,000億元が見込まれています。
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