中国ECロジスティクス最前線 2021.04.07

2020年中国向け越境EC市場最新レポート

今回は、中国市場の視点から、中国越境ECの現状と最新動向について紹介いたします。

1.2020年中国EC市場および輸入越境EC市場の概要

 2020年はコロナの影響で中国の小売全体の売上は39.20兆元(約702兆円、※以下同様1元=18円で計算する)で前年比3.9%減少したが(※1)、ECでの小売全体の売上は11.76兆元(約211.68兆円)で、2019年の10.63兆元(約191.34兆円)より10.9%増加しています(※2)。実店舗はコロナの打撃を受けて売上が急落してしまい、EC化が加速する結果となりました。

 なかでも、中国輸入越境EC貿易規模は2019年の2.64兆元(約47.52兆円)で、前年比17.3%増えました。2020年は3.07兆元(約55.28兆円)となり、2021年は3.55兆元(約63.9兆円)と予測されています(※3)。中国輸入越境EC市場は毎年増加しており、中国経済の回復に伴いさらなる拡大が見込まれています。

2013~2021年中国輸入越境EC市場取引規模および前年比|船井総研ロジ株式会社

※1:中国統計局 http://www.stats.gov.cn/tjsj/zxfb/202101/t20210118_1812428.html

※2:中国商務部 https://dzswgf.mofcom.gov.cn/sjcx.html

※3:iMedia 
https://www.iimedia.cn/c1020/77380.html

2.2020年中国輸入越境EC市場の最新ニュース

タオバオ全球購(Metao.com)の新企画

 2020年1月、アリババグループTaobao傘下の越境ECプラットフォーム「Taobao全球購(Metao.com)」はタイ王国商務部国際貿易部門と業務提携を発表しました。今後3年間で10万個以上の海外ブランドを導入すること、100名の現地有名人に商品の宣伝を依頼することを決定しました。これによって海外の中小ブランドの中国市場進出のハードルが下がり、中国消費者がまだ知らないタイの中小ブランドを中国市場に展開できるようになります。

「Taobao全球購(Metao.com)」はタイ王国商務部国際貿易部門と業務提携を発表|船井総研ロジ株式会社

中国輸入博覧会

 2020年11月、第3回の中国国際輸入博覧会が上海で開催されました。コロナ禍で海外からの中国への渡航が停止されていましたが、150を超す国・地域から3千社あまりが出展しました。最後は、40万人のバイヤーが中国各地から会場を訪れ、前回より2.1%増の726億2,000万ドルが過去最高額で成約しました。米国との貿易摩擦は激化する一方ですが、世界に先行して経済が回復する中国市場からコロナ禍で奪われた売上を取り戻そうとする日本や欧米の企業が積極的に参加しています。

中国輸入ECの新税関制度

 2021年3月、中国政府は「越境ECによる小売輸⼊の拡大に関する試行」を発表しました。本発表によると、これまで35都市で展開していた越境EC総合試験区を、全国に展開します。そこで、越境ECによる小売輸⼊は、所在地税関を通じて監督管理要求に合致することができれば、直接輸入(通関申告コード9610)ではなく、ネット保税輸⼊(税関監督方式コード1210)業務を展開することができます。これによって、越境ECプラットフォームの設立ハードルが下がったり、円滑な物流オペレーションが実現したり、ECサイトの知的財産権を保護しやすくなったりと、多方面で大きなメリットが出ることが期待されます。

越境ECによる小売輸⼊の拡大に関する試行|船井総研ロジ株式会社

3.2021年予想、アフターコロナの消費動向

 コロナ禍がもたらした所得減少や雇用不安定によって、消費者は高額商品への支出を控える傾向が見られます。その反面、コスパのいい高品質なメイドインジャパン商品に一層の興味をもつ結果となりました。コロナがもたらした消費動向の変化の一つは日本からの越境ECの躍進を意味します。すでに、2020年に中国人ECでの支出は全体の支出の38.7%を占めていますので、一般生活により浸透したEC文化が根付いたために、越境ECでの商品購入に大きな抵抗を示さないユーザーが激増してきました。これからは、世帯収入増加や消費観念の転換に伴い、さらに良質な日本製品を求める中国の消費者が増加する傾向が見られます。

 販促面では、中国国内ECで定着したライブコマースによる商品販売スタイルがすでに社会インフラとして確立されました。中国むけの越境ECもライブコマースを組み合わせたマーケティングスタイルが今後一般的になり、日本市場でもライブコマースを検討する企業が増えてくることが予想されます。

 船井総研ロジでは、最大の越境EC市場である中国への「爆売り」をメインテーマに、社会インフラとなってきたライブコマースと中国への越境ECのビジネスモデル参入のためのセミナーを企画しております。日本国内で大きな売上アップが見込めない企業にとって、お隣の巨大市場であり、EC大国である中国市場はまさに絶好の市場として完成しております。すでに中国向けの越境ビジネスを実施されている企業はもちろんのこと、これから中国むけ販売を検討される企業もぜひこの機会にご参加くださいませ。

Pen Iconこの記事の執筆者

魏 仙麗

船井総研ロジ株式会社

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