ポカヨケとは?ヒューマンエラーを減らすための事例を紹介

ポカヨケとは、人が行う作業で発生するポカ(ミス)をヨケる(避ける)ための仕組みや装置のことです。この記事では、ポカヨケの概要や重要性、ポカヨケに取り組むことで得られるメリットなどについて解説します。また、物流業における具体的なポカヨケの事例についても取り上げているため、ぜひ参考にしてください。

ポカヨケとは?

-ヒューマンエラーを減らす事例-

ポカヨケとは

ポカヨケとは、作業者によるポカ(ミス)をヨケる(避ける)ための仕組みや装置のことです。物流業界は、人が行う作業が多いこともあり、いくら作業をマニュアル化してもヒューマンエラーを完全に防ぐことはほぼ不可能です。例えば、ピッキングや仕訳作業を人が行う限り、間違えによる誤出荷のリスクは常に伴います。ポカヨケは、作業を構成する要素の中でも人以外の部分でミスが発生しにくいシステムを構築します。

ポカヨケの重要性

先ほども触れているように、人が関わる以上、緻密なマニュアルや具体的な対策を用意したとしてもミスをゼロにすることはできません。全ての工程でダブルチェック、トリプルチェックを行う体制を構築できればミスを大きく減らすことができるかもしれませんが、工数が増え、コストもかさむため現実的な方法ではありません。ミスをなくすためには、そもそもミスが発生しないような仕組みを作ることが必要不可欠です。だからこそ、ポカヨケは物流業界にとって非常に重要なものだといえます。ちなみに、ポカヨケは作業のミスだけでなく、労災防止にも貢献してくれます。例えば、現場作業において、確認不十分で作業をしたために怪我をする、誤った動作によって他の人を汚させてしまうといった不注意が原因の事故は少なくありません。ポカヨケによって、ヒューマンエラーが発生しにくい環境を作ることができれば、作業の安全性も向上するでしょう。

ポカヨケを行うタイミング

ポカヨケを行うタイミングは、大きく分けて以下の3つです。

・ポカが発生する前:起こり得るポカについて評価
・検討を行い、ポカの発生を防止する
・ポカが発生した時:ポカが発生する瞬間や発生する工程の中でポカを検知し防止に取り組む
・ポカが発生した後:ポカが発生した後の工程で入念な検査を行うことでポカの混入を防ぐ
ポカが発生する前の対策の例としては、物理的にポカが起こらないような仕組みにする、ポカが発生した時点で工程が止まる仕組みにするといったことが挙げられます。また、ポカ発生後の例としては、間違いを自動的に弾いてくれるような仕組みなどが考えられます。

物流会社がポカヨケに取り組むメリット

物流会社がポカヨケに取り組むことで得られるメリットはさまざまです。ここでは、具体的なメリットを2つ紹介します。

誤出荷の防止

ポカヨケに取り組むことで、誤出荷のようなミスを防止することができます。物流業界では、人手による検品や目視での確認、紙を使ったチェックといったアナログ作業が今も少なくなく、ヒューマンエラーの原因になっています。一方で、ポカヨケとしてデジタルピッキングシステムやデジタルアソートなどを導入することで、機械やシステムによる自動作業が可能となるため、誤出荷のリスクが低くなります。また、誤出荷が発生すると発生後の対応に追われてしまいますが、ポカヨケによってポカをする可能性が低くなればそのような手間も省くことができます。

教育の負担が減る

ポカヨケによってミスが発生しない仕組みを作ることができれば、新入社員に対する教育の負担が軽減されます。新入社員に対して教育を行う場合、先輩社員が担当としてつき、一定以上のレベルに到達するまで指導を行うこととなります。この時、作業内容が複雑だと、教育にも時間がかかります。一方で、ポカヨケを導入することで、どういったときにミスが起こりやすいのか、どのような手順で作業を行うのかといったことがはっきりとするほか、覚えることも少なくなるため、指導を行いやすくなります。

物流業におけるポカヨケの事例

ここでは物流業におけるポカヨケの具体的な事例を紹介します。これからポカヨケに取り組もうとしている企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

デジタルピッキング

デジタルピッキングとは、デジタル表示器を活用したピッキングの支援システムのことです。デジタルピッキングシステムを導入することで、伝票チェックや製品探しといった業務を効率よく行うことができます。システムが自動で情報をチェックし、人間はシステムに基づいて作業を行うだけであるため、ポカの削減につなげることができます。

センシングセンシング

センシングセンシングとは、センサーを活用して物理的・化学的なさまざまな情報を取得し、数値化する技術のことです。センシング技術を活用することで、例えば転倒やつまずきといった事故の検知が可能になります。ヒューマンエラーを直接防いでくれるものではありませんが、このような事故を防ぐことでそのほかのポカ発生防止につながります。

ハンディターミナル

ハンディターミナルは、データ収集ができる携帯端末のことで、データの読み取りに加え、データの確認や保存などを行うこともできます。物流作業の中でも、例えば入出庫や検品にハンディターミナルを導入することで、データの確認ミスを防ぐことができます。人が間違えやすい英数字の文字列もハンディターミナルなら間違えることなく即座に読み取ることができます。また、人間だと判別できない2次元コードの読み取りもできるなどさまざまなデータを読み取れる点が特徴です。

RFID

RFIDは電波を活用することで、RFタグやICタグといった専用タグのデータを非接触で読み書きする技術のことです。正しくは「Radio Frequency Identification」といい、頭文字をとってRFIDと呼ばれています。RFIDは、対応でいる範囲内であれば、複数のタグをまとめて読み取ることもできます。また、通信距離が長く、目標物までの間に障害物があっても読み取ることができる点が特徴です。この技術によってコードの読み取り忘れといったポカを防ぐことができます。

まとめ

今回は、ポカヨケについてその概要や重要性、取り組むメリット、具体例などについて解説しました。ポカヨケは人手による作業で発生するミスを回避するために行うものです。物流業界の場合、人手によるアナログ作業が多く、ミスが発生する可能性が高いといえます。ポカヨケに取り組み、ミスを減らすことができれば、業務効率も向上するでしょう。

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