物流基礎 最新更新日:2022.06.30

モーダルシフトとは?環境負荷を軽減する取り組みを解説

モーダルシフトとは、トラックなどの自動車による輸送から環境負荷の小さい手段へと切り替えることです。この記事では、モーダルシフトの概要や必要とされている理由、メリット・デメリットなどについて解説します。モーダルシフトは環境面だけでなく、企業の人手不足解消にも貢献してくれるものであるため、ぜひ参考にしてください。

モーダルシフトとは?

-環境負荷を軽減する取り組みを解説-

モーダルシフトとは

モーダルシフトとは、トラックなどの自動車によって行われる貨物輸送を鉄道や船舶といった環境負荷の小さい手段へと転換することです。モーダルシフトは、近年注目を集める「持続可能な開発目標(SDGs)」の観点からみても有効なものであるため、多くの企業での導入が進んでいます。

モーダルシフトが必要な理由

モーダルシフトが必要とされている理由には、CO2排出量の削減が求められている点が挙げられます。輸送距離もよりますが、トラックを使って貨物を輸送する場合に比べて、鉄道や船舶を使った輸送はCO2排出量を大幅に減らすことができます。地球温暖化対策として、CO2排出量の削減や省エネルギー、エネルギー資源の転換などが求められる昨今において、モーダルシフトが果たす役割は大きなものです。また、モーダルシフトは物流業界が抱えるドライバー不足という課題解決にも貢献してくれます。モーダルシフトを行わずトラック輸送を続けると、倉庫から倉庫、倉庫から集配拠点などの輸送で数百kmの運転が必要となり、輸送に時間がかかります。しかし、少子高齢化の影響で働き手が減っている現在では、ドライバーの数が不足している企業も多く、長距離の輸送が難しくなりつつあります。そのような時にモーダルシフトに転換することができれば、ドライバーは、駅や港など、最寄りの拠点へ運転するだけで済むため、効率よく輸送作業を行うことができます。

モーダルシフトのメリット

モーダルシフトへと転換することで物流会社はさまざまなメリットを得ることができます。ここでは具体的なメリットを3つ紹介します。

CO2排出量の削減

すでに説明しているように、モーダルシフトに転換することでCO2排出量の削減が可能となります。現在の輸送の主流はトラックですが、CO2排出量の多い点が課題です。一方で、モーダルシフトで使用される鉄道や船舶はCO2の排出量がトラックよりも大幅に少なくなり、トラック輸送時の9割以上のCO2排出量を削減できると言われるほどです。

ドライバー不足の解消

近年では、少子高齢化の影響で労働力人口が減少しているほか、インターネットショッピングに伴う小口配送の増加により、物流業会全体でトラックドライバーが不足しています。モーダルシフトに切り替えることで、ドライバーは拠点近くの駅や港に荷物を運ぶ、もしくは駅や港から拠点へと荷物を運ぶだけで済むため、少ないドライバーでも対応することができます。トラックドライバーというと、長距離輸送や過酷な労働環境のイメージを持っている人も少なくないと考えられますが、モーダルシフトによって負担が軽減されることで、求人への応募増加も期待できるでしょう。

長距離輸送時のコスト削減

鉄道や船舶を使った輸送は、一度の輸送で大量の貨物を運べるため、トラックを使った輸送よりもコストを抑えることができます。トラックで長距離輸送をするとなると輸送に日数がかかり、ガソリン代やドライバーの人件費なども大きくなってしまいますが、モーダルシフトに転換することで、このようなコストを最小限に抑えることができるでしょう。
なお、モーダルシフトのメリットは、以下の記事でも解説します。合わせてご覧ください。
トラック輸送からモーダルシフト化へ

モーダルシフトのデメリット

メリットの一方で、モーダルシフトにはデメリットも存在します。ここでは、具体的なデメリットを2つ紹介します。

輸送コストが大きくなるケースもある

鉄道や船舶による輸送は、トラック輸送よりもコストが高くなるケースもあります。一般的に、モーダルシフトでコストを削減できるのは500km以上の輸送からとされているため、近年増加している多頻度小口輸送にモーダルシフトを適用するとかえってコストが高くなってしまいます。鉄道や船舶による輸送は、コンテナ単位で取り扱うこととなるため、小口配送には適していません。むしろ、小口配送には時間や頻度を調整でき、利便性にも優れたトラック輸送が適しています。このような点は、モーダルシフトが進まない理由の1つです。

輸送に手間がかかる

鉄道や船舶は長距離の輸送に適していますが、駅・港までしか荷物を運ぶことができません。そのため、トラックから鉄道・船舶、鉄道・船舶からトラックへと積み込み作業が発生します。輸送の大半を鉄道や船舶で対応したとしても、最終的な輸送は必ずトラックで行わなければならないため、手間となってしまいます。また、鉄道や船舶のスケジュールに応じてトラック輸送を手配しなければならないため、トラックのみで輸送するよりもリードタイムが伸びてしまいます。

まとめ

今回は、モーダルシフトの概要について解説しました。モーダルシフトは、従来のトラックによる輸送から、鉄道や船舶など環境負荷の小さい手段へと転換することです。モーダルシフトに切り替えることで、CO2排出量を削減できるほか、トラックドライバー不足の解消にもつながります。一方で、近年増加している小口配送には適していないため、状況に応じて使い分ける必要があるでしょう。

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Pen Iconこの記事の執筆者

Logiiiii編集部

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