EC物流とは?日常生活に欠かせない物流サービスの概要を解説

EC物流とは、インターネットショップのような電子商取引に伴い生じる商品の入出荷や保管、梱包、発送といった物流工程のことです。この記事では、EC物流について、その概要や特徴、作業の流れ、課題について解説します。これからEC物流を始めようとしている企業、EC物流を始めたばかりの企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

EC物流とは?

-日常生活と物流サービス-

EC物流とは

EC物流とは、EC(Electronic Commerce:電子商取引)に伴い生じる商品の入出荷や保管、梱包、発送といった物流の工程のことです。EC物流は、ECサイトを運営する企業が一連の物流プロセスを担うケースが一般的です。
インターネットやスマートフォンの普及により、Amazonや楽天市場といったインターネットショップが発達し、それに伴い自社のオンラインショップを持つ企業も増えています。そのため、EC物流で取り扱う物量も必然的に増えています。

EC物流の特徴

EC物流は通常の物流に加えて、EC物流ならではの特徴を持ちます。どのような特徴を持っているのか理解を深めることで、実際にEC物流に取り組む際に役立ちますので参考にしてください。

①物流量が少ないものの配送先が多い

EC物流は、BtoC間での取引が多く、1回あたりの注文で取り扱う商品数が少ないという特徴を持ちます。一方で、利用する人の数が多く、頻繁に利用する人もいるため、配送先が多くなります。一般家庭への出荷が多いため、同じ形式の出荷を行うことが多い点も特徴です。

②ギフトラッピングへの対応が必要なケースがある

EC物流を利用する人の中には、友人や知人などへのプレゼントを購入するケースもあるため、ギフトラッピングへの対応が必要なケースもあります。実際に、プレゼント需要に対応するために、ラッピングや梱包サービスを行っているECサイトはたくさんあります。一般家庭への出荷が多いことから出荷パターンに大きな違いはありませんが、顧客別の包対応が必要な場合もあります。

➂顧客ランクを意識したサービス

EC物流は、購買回数などに応じたランク分けを行い、顧客ランクに応じてサービス内容を差別化することができます。例えば、ランクに応じて内容の異なるチラシを同封する、ランクに応じてノベルティを変えるといったイメージです。こうした取り組みを行うことでLTVや顧客満足度の向上を目指すことができます。

④返品対応

顧客にとってスマートフォンやパソコン一つで簡単に買い物ができるECは便利なものです。一方で、商品を直接見たり触ったりして購入することができないため、返品も多くなります。そのため企業によっては返品対応に追われることもあるでしょう。これからEC物流に取り組む企業は、返品が発生した際にもスムーズな対応を取れるような体制を事前に構築しておくことが重要です。

入荷から出荷までの流れ

ここでは、EC物流における入荷から出荷までの一連の流れについて解説します。EC物流を始めたばかり、これから始めようとしている企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

入荷・検品

ECサイトで商品を販売する場合、化粧品やアパレルなど、自社サイトの内容に応じた商品を入荷しなければなりません。また、入荷の際には、検品を行い商品に問題がないか確認する必要があります。破損や汚れのある商品、異物が混ざっている商品などが顧客のもとに届くことがないよう、入念にチェックします。

保管

検品を行い、商品に問題がなければ倉庫内の各ロケーションに保管されます。保管時には温度や賞味期限などの管理も必要となるため、保管環境の整備は必要不可欠です。賞味期限が近いものから取り出しやすい位置に保管しておく、出荷頻度の多い商品は入り口の近くに、少ない商品は倉庫の奥の方に保管するなどその後の作業を踏まえて保管場所を決めましょう。

ピッキング

顧客から商品の注文を受けると、商品の出荷指示が倉庫に届くため、該当する商品のピッキングを行います。
作業員は、倉庫内の保管場所から商品をピッキングし、改めて破損や汚れなどがないか検品を行います。企業によっては、商品の保管場所をデータで管理し、スムーズにピックングができるようにしているケースも少なくありません。現代のEC物流においては、顧客のもとにいかにスピーディーに届けられるかが顧客満足度の観点から重要視されています。そのためピッキングがスムーズにできるような仕組みづくりの構築と日々の改善が非常に重要です。

梱包

ピッキングした商品に問題がなければ、梱包を行います。梱包作業では、商品の中身や大きさに応じたダンボールや緩衝材などを使用します。また、複数の商品を1つの箱に詰める場合は、商品を詰める位置や順番なども考慮しなければなりません。プレゼント用の商品である場合は、別途個別にラッピング対応が必要となるケースもあります。

出荷

梱包作業が完了したら、配送業者に商品を受け渡して出荷します。

以上がEC物流の大まかな流れです。EC物流は物流量が多いため、このような作業を何度も繰り返すこととなります。

EC物流の課題

ここではEC物流が抱えているさまざまな課題について解説します。より質の高いサービスを提供するためにも、どのような課題を抱えているのかしっかりと理解し対策を考えておきましょう。

人手不足

EC物流は物流量が多く、それに伴い多くの作業員が必要ですが、企業の中には人手不足に悩むケースも少なくありません。また、EC物流に参入したばかりの企業の中には、事業が軌道に乗り始め受注量が増えたために、作業員のキャパシティを超えてしまうケースもあります。
人手不足の中で作業をすると、ミスが発生しやすく、顧客からの信頼低下につながりかねません。また、ミスへの対応も必要となるため、作業効率も大幅に低下してしまいます。

コスト増加

EC事業者の中には、売上が伸びているものの利益がそれほど上がらないというケースは少なくありません。利益が上がらない原因の1つが、EC物流のコスト増加です。EC物流には、商品の運送費用だけでなく、倉庫で働く作業員の人件費や商品の保管にかかる保管費用などさまざまなコストが発生します。また、返品対応などによって再配達が必要となるケースもあるため、運送コストが高止まりしている点もコスト増加に拍車をかけています。

EC物流における課題解決のポイント

物流業界が抱える課題を解決するための方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ・システムやロボットなどの導入
  • ・業務のアウトソーシング

例えば、倉庫管理システムを導入することで、商品の入出荷管理や在庫管理などのデータをまとめて管理できるため、作業がスムーズになります。また、ピッキングロボットのようなロボットは、指示に沿って正確なピッキングができるため、ミスの減少にもつながるでしょう。
システムやロボットの導入により業務が効率化すれば、少ない作業員で業務を進めることができます。
また、自社でEC物流を全てカバーすることが難しい場合は、物流代行会社などへの業務のアウトソーシングも選択肢となるでしょう。アウトソーシングにはコストがかかりますが、作業員の業務を減らせるため、その分他の作業に注力することもできます。

EC物流を始め、物流改善ってそもそもどう進めていくべきなのかさらに詳しく知りたい方はこちらのコラムを参考にしてください
物流改善の進め方は?改善に取り組む際のポイントからアイテムまで解説

まとめ

今回は、EC物流についてその概要や具体的な流れ、課題などについて解説しました。今やECは多くの人々にとって欠かせないものとなっています。一方で、ECの普及に伴い物流量が増えているため、現場の負担は大きなものとなっています。EC物流に取り組む際は、ロボットやシステムの導入、アウトソーシングの利用などを検討し、効率よく作業を進められるようにしましょう。

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