輸配送マネジメント
目次
概要
第1講座 時流講話
第2講座 輸配送マネジメント
第3講座 パネルディスカッション
第1講座 時流講話
2016年の物流業界を3つのテーマから、話を行ないました。それらを踏まえて、5つのポイントを解説。
また、115年前に発表された「報知新聞」の100年後予測についても触れました。全てが完璧には実現していませんが、一部は予測通りになり、かなりの数が的中しています。よくこんなに予見できたな、と思うような内容ばかりで、興味がある方はぜひ検索してみて下さい。
第2講座 輸配送マネジメント
(1)輸送モードのコスト水準
輸送モードのコスト水準として、主なトラック輸送の種類と機能の整理(特徴・メリット・デメリット)を行いました。
チャーター便の運賃事例として、実際の物流コンペで提出された見積もり金額や、市場価格を提示しました。
受講者様より、それぞれの金額におけるチャーター便の条件など質問もたくさん上がりました。
時流を踏まえ、市場価格がどういった要因で今後どのように動いていくのか、料金改定・委託先変更のチャンスとなる時期もお伝えしました。
コストに欠かせない、路線運賃についても解説をしました。基本となる路線運賃の種類と水準、こんな場合ならどうするのか、実重量計算と容積計算の方法、値上対象となる水準。
運賃計算事例として、区域輸送、チャーター輸送を解説。倉庫の場所、距離、重量を基に、数値を算出しました。
また、共同配送便の市場価格、実例を基に金額の算出を行ないました。
(2)国際物流におけるリスクマネジメント
国際取引の特徴として、4つを取り上げました。またその特徴ごとに、発生するリスクの種類と内容をまとめました。
輸入、輸出において実務者が注意すべきリスクとそのマネジメントを、貿易フローに沿って解説しました。契約から入荷まで、様々なリスクがずっとついてまわるため、備えが必要です。
輸出入を行なう全ての事業者が対象となっている、「税関事後調査」についても説明を行いました。必要な書類、もし申告誤りや申告漏れが発生した場合どうなるのか?
(3)直流化の基礎知識
直流(海外から店舗への直接物流)
対象
主として小売チェーンストア(アパレル・日雑など)
仕組み
1-1:国内で行っていた流通加工・荷役作業を海外拠点にて行う(検品、検針(アパレルの場合)、タグ付け、包装等)
1-2:国内で行っていた店舗別のピッキング・梱包作業を海外拠点にて行う(海外拠点にて店舗別の梱包荷姿となる)
2-1:調達先毎ではLCLになる貨物を混載し、FCL化して海上・航空輸送を行う
2-2:特定の輸出者名義で混載貨物を輸入する(バイヤーズコンソリデーション)
3:国内では貨物はデバンニング後、すぐに店舗向け出荷を行う
直流化スキームにおける、メリット・デメリットをコスト・リードタイム・品質の3つの視点でまとめ、バイヤーズコンソリデーションの方法や、直流と在庫型運営の併用についても解説しました。
直流化にすることでどれだけの効果があるのか、ケーススタディを行ないました。
(4)適正取引
国土交通省が平成27年2月12日に改定を行なった、適正取引ガイドラインをご紹介しました。荷主企業・物流企業、共に関わりのあるこのガイドライン。知らなかったでは許されない内容となっています。
ドライバー不足など問題が起こっていますが、ガイドラインを適切に守ることで、そういった問題解決へ向けて業界の意識改革が必要と思います。
リンク:http://www.mlit.go.jp/common/001069396.pdf
(5)荷主企業(3PL)のリスク “スイッチング・コスト”
物流スイッチング・コストとは、現在利用(契約)している物流会社から、別会社に切り替える際に荷主が負担しなければならないコスト。「金銭的コスト」「心理的コスト」「手間コスト」などが組み合わさっています。
全てのコストは想定可能であり、想定したコストとスイッチング・コストがどのバランスであれば新規委託先へ任せるべきなのか?担当者の役割とは?を解説しました。
(6)物流コスト市場価格
製造・卸売り・小売それぞれの業種ごとに、売上対物流コストのレンジ(市場価格の下限・上限)を解説しました。
価格設定には(1)コスト積み上げ方式、(2)市場価格方式の2種類があります。市場価格と料金ポジショニングの関係をお伝えし、値上リスクの高いポジションなど、ポジションにおける対応を解説しました。
(7)共同配送
共同配送には、ミルクラン方式・目的地別共配・エリア別共配があり、それぞれの特徴やどういった商材に多いのかなどお伝えしました。
輸送モードには、路線便・ルート配送/ミルクラン・チャーター便・共同配送があり、それぞれの集荷から配達までの経路や、活用のメリット・デメリットを解説しました。
運送会社様、各社が行なっている共同配送についてもご案内しました。
第3講座 パネルディスカッション
質問
路線便の中では化学品(危険品・非危険品問わず)を扱わない姿勢を明確にされている会社がいくつかあると聞いております。今後のトレンドとして化学品を扱える路線便は縮小傾向にあると考えた方がよろしいでしょうか?
回答
化学品の全てを取り扱わないのではなく、危険物や液体などは他の貨物への影響が大きいので、避けていると思われます。特に、ドラム缶(200リットル)や1斗缶、ペール缶なども大手の路線会社は積極的ではないと感じております(運び辛いから)。
今後の大口出荷に関してまして、路線会社は輸送拒否なども想定されるため、区域便やチャーター便などへのシフトを早めに行った方が良いかもしれません。