物流SLA・PDCA

概要

第1講座 時流講話
第2講座 物流SLA
第3講座 PDCAマネジメント

第1講座 時流講話

物流業界を取り巻く環境

AI(人工知能)を活用した物流センターはどのように進化するのか、労働力不足の救世主となるのか、予測・見解を述べました。

また物流業におけるアルバイト・パート雇用事情や求貨求車ネットワーク成約運賃指数、海上運賃相場予測を基に物流業界を取り巻く環境、トレンドをお伝えしました。

当社独自の調査から得た首都圏を中心とした大型ファンド物件の建設計画をまとめ、大型物流施設建設についてもお伝えしました。

第2講座 物流SLA

(1)SLA

トラブル事例

荷主企業と物流企業との間で起こりうるトラブルを事例として挙げ、適切なSLAについて講義しました。

事例1デバン制限1日◯ ◯ 本以上は受けられない
事例2入荷計上当日中に入荷計上が上がらない
事例3輸送事故物流センターに求められるオペレーションクオリティ
事例4増床問題 坪あたりの保管数量の取り決めは
事例5出荷中止 出荷停止発生時の荷役料(入出庫料)は
物流SLA・PDCA

物流SLAとは

物流SLA(サービス・レベル・アグリーメント)とは第三の契約書である。

Ⅰ.基本契約書(業務請負契約書)契約内容・支払条件・期間・期限
Ⅱ.覚書料金や別途条件等に関する取決め
Ⅲ.物流SLA物流サービスの定義

荷主企業と物流企業にて、実行する物流サービスの内容・範囲及び前提条件などを明確化し、サービスレベルに対する要求事項を可視化(数値化)する。また定義した内容が適正に実行されるための運営ルールを、荷主企業と物流企業との間で合意書として明文化したもの。
定義を明らかにすることで、業務開始後のトラブルを防止し、両社のリスクを回避する役割を果たす。

利益相反

そもそも、荷主企業と物流企業は利益相反関係である

物流SLA・PDCA

したがって、物流SLAにて取り決めをはかる際のポイントは、
1.業務定義の明確化
2.物流サービスレベルの可視化(=数値化)
3.責任所在の明確化

である。

(2)物流SLA導入のステップ

物流SLAの導入にあたっては、以下のような段階を踏みながら進めることが重要です。そして、導入完了後はPDCAサイクルを回し、持続性のある改善活動を行うことが求められます。

物流SLA・PDCA

(3)物流SLA項目

物流SLAの項目として代表的なものとして、下記が挙げられる。

物流SLA・PDCA

第3講座 PDCAマネジメント

(1)PDCAマネジメント

「いつも、P→D→P→D…C→Aがうまく回っていない…」という声をよく聞きます。
何故でしょう?それは・・・

今までやっている仕事・業務に対してPDCAは必要ありません。PDCAが必要なのは、今よりも高い領域で仕事をし、高いゴール目標を目指している場合であるからです。
高いゴール目標が設定されていれば、必然的にしっかりと作り込まれた計画が策定されるのでP・D・C・Aそれぞれでやるべきことが明確になります。

つまり、どのような目標を設定するかが重要になってくるのです。

明確な目標を設定していますか?
その目標はチャレンジングな目標ですか?
できる目標ではなく、“すべき目標”を設定していますか?

第4講座 パネルディスカッション

質問

物流会社と設定したSLAを日々どのように確認していくべきでしょうか。(荷主企業A社様)

回答

1ヶ月の集計として数字を見るものも中にはありますが、その日1日単位で確認できる項目を物流SLAとして設定するべきです。数値が計れない・検証が出来ないものは物流SLA項目として相応しくありません。
物流SLAの数値管理が、作業の合理性を阻害する要因にならないように注意が必要です。

質問

物流会社にとって物流SLAは自社を守る数値になってしまう傾向があるように感じますが、荷主企業と物流会社が双方が満足して合意するためのポイントはありますか?(物流会社B社様)

回答

荷主企業との新規取引の際に「当社は、このパフォーマンスを保証します」「このサービスレベルを遵守します」というアピールをすると良いでしょう。これは競合他社との差別化になります。
荷主企業ではじめから物流SLA項目を求めてくる企業はまだ少ないので、大きな差別化要因になると言えるでしょう。

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