デジタル・DX×物流の最新事例公開!2021年7月度「LPSロジスティクス4.0・3PLビジネス研究部会」
船井総研ロジの研究部会は全国から物流会社・運送会社の経営者が集い、情報交換を行う勉強会です。2021年7月9日に、7月度LPSロジスティクス4.0・3PLビジネス研究部会を開催しました。
今回の研究部会では浜松倉庫株式会社様をゲスト講師としてお招きし、「企業の生き残りのために~人×デジタルで倉庫業の未来を創る~」についてお話いただきました。
また、会員事例紹介として、株式会社ハンナ様「ハンナの働き方改革 - OCR・RPA 活用編 -」と、山岸運送株式会社様「山岸運送グループDX推進の取組み」に自社で取り組んでいるDX事例について発表していただきました。
部会の最後は、船井総研ロジの河内谷より「見込客を創出するコンテンツマーケティングの実践方法」について解説しました。
目次
講座概要
第一講座 「企業の生き残りのために~人×デジタルで倉庫業の未来を創る~」
第二講座 「ハンナの働き方改革 - OCR・RPA 活用編 -」
第三講座 「山岸運送グループDX推進の取組み」
第四講座 「見込客を創出するコンテンツマーケティングの実践方法」
第一講座 「企業の生き残りのために~人×デジタルで倉庫業の未来を創る~」
人材育成とDX化による組織の構築
第一講座では、静岡県浜松市に本社を構える浜松倉庫株式会社 代表取締役社長 中山彰人氏にご講演いただきました。
浜松倉庫様は、荷主・顧客のニーズ・情報をタイムリーに取得し、いち早くサービスを提供できる体制の構築を目的としたDX化をスタートさせました。
そこで、若手管理職5名を中心とした、プロジェクトチームを設けることで、DX化の推進を図りました。
同社が実際に取り組んだ「DXの進め方」について一部抜粋してご説明します。
(1)若手管理職を中心としたボトムアップ式で推進
若手管理職中心に20~30年後のビジョンを描かせつるために、トップダウンではなくボトムアップ型でプロジェクトを運営した
(2)未来像をつくることからシステム化
システム刷新を第一に考えるのではなく、「業務スリム化」「品質向上」「営業力強化」のために必要なシステム導入を進めた
(3)プロジェクトメンバーを徐々に増やしていく
若手管理職や若手キーマンを巻き込み、徐々に関係者を増やすことでプロジェクト運営メンバーの不安感をなくすことに成功した
プロジェクト運営の実施によりデジタル化はもちろん大事ですが、人材教育による個々の能力アップなど副次的な効果にも繋がりました。今後も、事業拡大や地域発展のために、人材教育強化とDX化をさらに推進していくとのことです。
みなさまの会社でも、荷主企業に選ばれる物流会社になるべく、DX化の取り組みに着手してみてはいかがでしょうか。
第二講座 「ハンナの働き方改革 - OCR・RPA 活用編 -」
社員パフォーマンス向上のためのデジタル化
株式会社ハンナ 取締役 西岡 徳行 氏よりAI-OCRとRPAの活用についてご講演いただきました。
同社では労務や経理業務の煩雑化・人手不足をきっかけに、デジタル化への取り組みをスタートさせました。
そこで、AI-OCR・RPAを活用することで、上記の課題解決を図りました。
同社が実施したデジタル化の事例をお伝えします。
ツール導入前は、紙に書かれている労務・経理の情報を、目で見て手入力していました。
しかし、AI-OCR・RPAの活用することで、これらの業務のデジタル化・自動化に成功しました。
これにより以下のような効果がみられました。
AI-OCR・RPAの活用効果
(1)年間216万円のコスト削減
(2)年間1,445時間の時間削減
(3)ヒューマンエラーが無くなりデータの精度が向上
(4)余裕を持った入力確認を実現
また、業務の効率化によって、今まで以上に従業員の時間を採用・営業活動などの「コア業務」に費やすことができるようになりました。
皆様も、自社の従業員のパフォーマンスを最大限活かすための、デジタル化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
第三講座 「山岸運送グループDX推進の取組み」
DX化による業務削減
第三講座は、会員事例発表としまして、山岸運送株式会社 常務取締役 山岸龍大氏にご講演いただきました。
山岸運送様では、運送業という業種上アナログとデジタルを適材適所に推進をし続けるという考えのもと、デジタル化を進めています。
そこで同社では、2020年からDX事業部を設立し、年間1800時間以上の業務削減を実現しました。
同社がデジタル化で進める上で重要視している5つのポイントについて紹介いたします。
デジタル化で重要視している5つのポイント
(1)デジタル化推進ではアナログの視点も大切にする
(2)長所を生かした専任メンバーを選定し、役割分担を明確化
(3)タスク管理の徹底によりDX推進の行動・成果の見える化
(4)実物流メンバーを巻き込んだ仕組み作り
(5)必要なシステムを自社で開発することによるノウハウを蓄積
RPAやBIツール、自社開発の運行管理アプリケーションなど用いて、今後もデジタル化を進めていくようです。
皆様も上記5つのポイントを踏まえた上で、DX化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
第四講座 「見込客を創出するコンテンツマーケティングの実践方法」
顧客目線で見込客を獲得
第四講座では、船井総研ロジ株式会社 河内谷より、見込客創出のためのコンテンツマーケティングについてお伝えしました。
コンテンツマーケティングとは、戦略的に価値のあるコンテンツを発信・配布し、利益に結びつく行動を促す効率的なアプローチ方法です。
つまり売り手が伝えたい情報ではなく、買い手が求めている情報を提供し、問い合わせを獲得していく仕組みとなっています。
コンテンツマーケティングを実践することによるメリットをご紹介します。
コンテンツマーケティングを実践するメリット
1. 専門家として信頼性が高まる・ブランディング効果
2. 顧客ロイヤリティを高められる
3. 情報を自然な形で拡散できる
4. コンテンツが資産として蓄積される
5. 広告コストを削減できる
情報を提供するまでの作成準備や継続的な発信など手間と時間はかかりますが、その分コンテンツの資産は長く・強く、有用性が高くなります。
皆さまも長期的なマーケティング施策を駆使し、見込客を獲得してはいかがでしょうか。
参加した研究会会員の声
毎回新たな気づきがあり、とても参考になります。一歩も二歩も進んでいる会社様があることに感心すると共に、我々の取り組み内容における改善点はどこかと自問自答の繰り返しです。
単に他社の真似をするだけでなく、今回得た気づきを社内で活用し、学びを自社に落とし込めるよう行動していきたいと思います。
(運送会社 J社)
講座を受講し、自社に残るアナログ業務に対して今後は積極的にOCRやRPAを活用したいと思いました。KPI・管理会計業務の標準化による収益予測や現場の目標、進捗管理の標準・視覚化など、生産性向上を目指した業務改善に取り組んでまいります。
目標としては3ヵ月以内に方向性を定め費用対効果の検証を実施し、一人当たりの売上高を5UPさせることです。
(運送会社 C社)
おすすめ情報
研究部会/ロジスティクス4.0・3PLビジネス研究会
- 概要
- 既存の3PLビジネスを事業の柱として伸ばしながら、ロジスティクス4. 0の先駆者となるための様々を最新技術を学んでいきます。省人化・標準化のための取り組みをはじめ、AI・ロボットなどのITテクノロジーなどについて学び、情報交換を通じて自社に生かしていきます。
また、現場改善や人材採用・育成などのテーマについても取り上げています。 - 詳細
- https://www.f-logi.com/butsuryu/society/logistics-3pl/
ロジスティクスプロバイダー経営研究会
- 概要
- 業績アップに特化した物流企業が集まる経営研究会です。船井総研ロジが主催する研究会は、日本の物流業界をけん引する企業が一堂に会し、業績アップのノウハウを学びます。
- 詳細
- https://www.f-logi.com/butsuryu/society/