物流セミナーレポート 2021.06.08

質の高い物流サービスを提供~ハマキョウレックスの全員参加経営~2021年5月度「LPSロジスティクス4.0・3PLビジネス研究部会」

船井総研ロジの研究部会は全国から物流会社・運送会社の経営者が集い、情報交換を行う勉強会です。
今回の研究部会では、株式会社ハマキョウレックス様をゲスト講師としてお招きし、『質の高い物流サービスを提供~ハマキョウレックスの全員参加経営~』についてお話いただきました。

また会員事例紹介にて阪神ロジテム株式会社様とトランスポートアトミック株式会社様に発表していただきました。

船井総研ロジからは三村より『人事制度見直しのポイント』、河内谷より『運賃水準の見直しと運賃値上げ交渉のポイント』に関して、計5部構成でお送りいたしました。

講座概要

第一講座 人事評価制度の変更について
第二講座 トランスポートアトミックの人事制度
第三講座 質の高い物流サービスを提供~ハマキョウレックスの全員参加経営~
第四講座 人事制度見直しのポイント
第五講座 運賃水準の見直しと運賃値上げ交渉のポイント

第一講座 人事評価制度の変更について

社員のモチベーションをアップさせる人事制度

「人事評価制度の変更について」と題しまして、阪神ロジテム株式会社 代表取締役会長 石井眞也 氏、代表取締役社長 望月隆 氏、常務取締役 管理部門 松田茂 氏の三名をお招きし、ご講演いただきました。

阪神ロジテム株式会社では、会社の成長スピードを加速化するにあたり「事業拡大に伴う管理職の人員不足」「新卒採用者の定着」「遠隔地域での人員確保」を課題として抱いており、人事制度の変更を開始しましました。

人事制度の大きな変更点は以下2点です。

(1)新たな職種として「総合職」を設立

「総合職」は様々な現場・業務を経験することによる能力UPをミッションとした職種です。そのため、転居を伴う転勤も含めて優先的に移動をかけており、今後は「総合職」を中心に、将来の管理職の育成を計画しています。

(2)給与の構成・仕組みを変更

制度変更前は、「繁忙期」と「閑散期」において給与額が大きく変動していたため、生活給が安定していませんでした。そのため、各種手当を基本給に組み込み全面的な額の引き上げを行いました。

人件費増加は増加したものの、採用・定着強化や社員のモチベーションUPに繋がっています。
皆様の会社でも自社の課題を明確にした上で、人事評価制度の見直しを取り組んでみてはいかがでしょうか。

第二講座 トランスポートアトミックの人事制度

組織ガバナンスについて

「トランスポートアトミックの人事制度」と題しまして、トランスポートアトミック株式会社 代表取締役 久松孝治 氏にご講演いただきました。
組織ガバナンスをより強固なものにするために組織体制の整理を行っています。
そこで本レポートでは、社員等級に関して一部抜粋してお伝えします。

トランスポートアトミックでは部長職と課長職の違いが明確になっておらず、下記のような課題がありました。
・課長格が部長格よりも給料をもらっている。
・部長格が自身の仕事をしてくれない。

これらの課題を解決するために社員を8等級の3段階で計24階級に分類し、部長格・課長格の役割や給与水準を平準化しました。
また、安定した組織運営を行うために「役員職」「部長職」「課長職」「課長代理職」「主任・班長職」それぞれの役割を細分化し、それぞれが事業・行動計画を持ちPDCAを回す仕組みを構築しています。

皆さまもより安定した組織を構築するために、管理職の役割を明確にして事業を運営していきましょう。

第三講座 質の高い物流サービスを提供~ハマキョウレックスの全員参加経営~

静岡県浜松市に本社に構える、株式会社ハマキョウレックス 代表取締役社長(COO)大須賀 秀徳 氏をお招きし、船井総研ロジ 橋本と対談形式でご講演をいただきました。
大須賀 氏が入社した30年前は年商17億円の規模で、そこから現在連結売上高1,188億円にまで売上を伸ばしています。
そこで、本レポートでは、ハマキョウレックスが事業拡大を続けている要因である3つの強みをご紹介します。

①「全員参加」で具体的高い目標を掲げ、日々業務に取り組む
②「日計収支」を作成し、日々勝ち負けをつける
③「コミュニケーション」をとり、全員参加で改善に取り組む

①のポイントは、目標数値(経営数値)を全員に共有し、全員が同じ目標に向かって同じ目線で業務に取り組むことです。
会社や社員だけが考えるのではなく、現場のパートナーの方を巻き込んで課題解決に取り組むことが重要です。

②のポイントは、現場を数値化することです。
各拠点ごとに日計収支を算出し、その日の問題点を翌日の改善に繋げ、無駄なコストを削減しています。
現場の社員全員が同じ課題を持ち日計収支を追うことが重要です。

③のポイントは、コミュニケーションが一方通行にならないように、自身が説明した後に相手が理解しているかどうかを確認します。
受けとる側が理解をしていなければコミュニケーションではないと捉えています。

当たり前のことを当たり前に実施し、継続することは非常に難しいです。
上記のキーワードのように、実施事項を明確にし日々確認することが大切です。
皆様もこれらの内容を意識した経営を行うことで、現場力のさらなる向上に繋がるのではないでしょうか。
現場力向上のために全員参加経営に取り組んでみましょう。

第四講座 人事制度見直しのポイント

人事制度見直しにおける4つのステップ

人事制度を見直す上で、賃金評価制度を作ることを目的にしてはいけません。あくまでも、経営計画達成から逆算して、人事制度を構築していくことが重要です。
そこで、本レポートでは、人事制度(人事評価・賃金制度)見直しのステップについて一部抜粋してお伝えします。

人事制度見直しの4つのステップ

(1)等級制度
求められる人材像を職種別・等級別に明らかにし、等級数・キャリアパスなどを決定する。

(2)評価制度
明確にされた人材像を元に評価項目を決定し、人事考課表を作成する。

(3)昇給・昇格制度
人事考課表によって評価された結果をどのように昇給・昇格に結び付けるかを決定する

(4)賃金制度
①~③の制度を反映した賃金制度を構築し、月例給(基本給・手当)、賞与を決定する。

上記のどのステップから見直しを行うべきかは、企業とその経営計画によって様々です。
ぜひこれを機に、自社の経営計画をもとに人事制度を見直を始めましょう。

第五講座 運賃水準の見直しと運賃値上げ交渉のポイント

運賃値上げ手法「原価開示」のポイント

運賃市場は近年値上がりの動向を見せていますが、中小地場運送業ではそのトレンドに乗れていない運送会社も存在しております。
そこで本レポートでは、運賃値上げの手法に関して一部抜粋してお伝えします。

運賃値上げの手法は大きく2種類あります。
1.タリフのランクアップ
2.原価開示

「1.タリフのランクアップ」 は市場相場との連動性が高いため、提供側が優位な立場でなければ通用しない場合が多いです。
そのため、中小地場運送業では、原価開示を進めていく必要があります。

原価開示において、重要なポイントは以下2点です。
①市場相場のレンジ内で収める
②適切な内容を開示する

<開示すべき内容の一例>
固定費:車両本体費、ドライバー人件費
変動費:油脂・燃料費、高速料金
一般管理費:本社・営業所費用

重要なことは、一般的に輸送を行う上でどれくらいの原価が発生するかを示すことなので、全て実際に使用している数値(企業努力など)を開示必要はありません。

契約運賃の水準・荷主との取引関係・業界環境(時流)などを、総合的に分析・検討した上で、運賃値上げに取り組まれてはいかがでしょうか。

参加した研究会会員の声

弊社でも、人事制度の見直しを現在取り組んでします。等級やキャリア級での賃金としています。評価の部分では、大変難しく、いろいろと項目を作りすぎた感があり、今後の課題と思っています。事例を見させていただき、大変参考になりました。ありがとうございます。
(物流会社 J社)

拠点長のジョブローテーションはより強い会社を作るために必要だと感じています。転勤の立候補制と合わせて今後の社内制度の変更の参考にさせていただきます。ありがとうございました。
(物流会社 T社)

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研究部会/ロジスティクス4.0・3PLビジネス研究会

概要
既存の3PLビジネスを事業の柱として伸ばしながら、ロジスティクス4. 0の先駆者となるための様々を最新技術を学んでいきます。省人化・標準化のための取り組みをはじめ、AI・ロボットなどのITテクノロジーなどについて学び、情報交換を通じて自社に生かしていきます。
また、現場改善や人材採用・育成などのテーマについても取り上げています。
詳細
https://www.f-logi.com/butsuryu/society/logistics-3pl/

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業績アップに特化した物流企業が集まる経営研究会です。船井総研ロジが主催する研究会は、日本の物流業界をけん引する企業が一堂に会し、業績アップのノウハウを学びます。
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