物流セミナーレポート 2021.03.18

5年で年商11億まで急成長を遂げた秘訣、今後の人事制度、荷主企業が今年考えていること対策を解説「2021年2月度トラックビジネス研究部会」

船井総研ロジの研究部会は全国から物流会社・運送会社の経営者が集い、情報交換を行う勉強会です。2021年2月18日の2月度LPS合同研究部会は、新型コロナウィルス感染症予防対策のため、zoomを用いた「オンライン研究会」を行いました。

今回の研究部会では、株式会社優輪商事様をゲスト講師としてお招きし、5年で年商11億まで急成長を遂げた秘訣に関してお話いただきました。
また、船井総研ロジからは三村より「今後の人事制度」、渡邉より「荷主企業が今年考えていること対策」に関して、計3部構成でお送りいたしました。

講座概要

第一講座元トラックドライバー(32歳)がたった5年で年商11億
~笑われ続けても上々という夢を語る続ける~
第二講座各社の人事制度について 事例紹介(1)田平陸送様
第三講座各社の人事制度について 事例紹介(2)清水運輸グループ様
第四講座運送会社の人事制度の見直しポイント
第五講座荷主企業が今年考えていることとそれへの対応策

第一講座 元トラックドライバー(32歳)がたった5年で年商11億~笑われ続けても上々という夢を語る続ける~

SNSからの年間400人応募!

大阪府東大阪市に本社を構える、株式会社優輪商事の代表取締役 豊島優助氏にご講演いただきました。
『若者がやりがいを持って働ける会社を作りたい』という一心で2015年に起業し、創業からたった5年で、現在トラック台数150台、13拠点、年商11億まで成長を遂げている会社です。

本レポートでは、「若者がやりがいを持って働ける会社」づくりに注力している同社の先進的な取り組みを一部抜粋してお伝えいたします。

SNSを駆使して年間400人の応募を獲得(広告費ゼロ)

同社は「カッコいいトラック」をデザインし、その車両をInstagramに掲載しています。
トラックのデザインも社長が好きなデザインではなく「若者が乗りたいと思うトラック」のデザインにすることで、20~30代の若手を中心に約400名もの求職者から応募がありました。

顧客満足度よりも従業員満足度

社員のモチベーションを上げることは、従業員のサービス力の向上、ひいては顧客満足度につながっていくと考えます。
その中でも同社の給与体系は他社とは一線を画しています。
ドライバーのモチベーションをあげるために固定休にて地域高水準にて給与を払っています。
一方で、配車マンに対しては効率のよい配車を組んでもらうために、歩合給で給与を支給しているとのことでした。

人材不足の問題が深刻化している中、優輪商事様は上記のような取り組みにより、若手人材の安定的確保に成功しております。
魅力ある職場づくりを目指し、就労環境を今一度見直してはいかがでしょうか。

第二講座・第三講座 各社の人事制度について

新しい人事評価制度を導入された田平陸送様と清水運輸グループ様に、その導入過程やポイントをご共有いただきました。
本レポートではその講演内容の一部をご紹介いたします。

田平陸送様の取り組み

まずは社員への経営理念(ヴィジョン)の周知から行いました。
そこからは、経営理念を軸とした部門別業績評価項目を定め、さらにそれを細分化し、個人別能力開発評価項目を定めました。
現在は、高頻度で自己評価と上司評価の2方向評価を実施しています。
また、新しい人事制度では、定着率向上のためには、社員の頑張りがで給与アップと紐づける必要があるという思いから、
従来の歩合給制度を変更し、管理職と一般職員を別の評価基準で賃金体系を構築しました。

清水運輸グループ様の取り組み

同社では、マイスター制度を採用しています。マイスター制度とは、無事故・無違反、プロドライバーの称号など安全やサービス品質に対して評価をします。
その他にも、カスタム車貸与制度や優秀従業員表彰制度等、エンゲージメントにつながる表彰項目を設定しました。
また毎年、全従業員に対して所長面談を実施します。
従業員の希望に沿って育成カリキュラムを組み、eラーニングや外部研修など、会社が従業員のキャリアアップをサポートしています。

2024年の働き方改革本戦に向けて、同社のような社員を育てる人事評価制度の構築は、会社のさらなる発展への必須条件になってきます。
評価定義を明確にし、誰もが活躍できるよう会社がサポートすることで、仕事に対して前向きな社員が増え、強い組織を作ることができます。

第四講座 運送会社の人事制度の見直しポイント

自動車運送事業の働き方改革

現在、自動車運送事業界では働き方改革が進んでいます。
2023年4月には月60時間超の時間外割増賃金率引上げ(25%→50%)の中小企業への適用、2024年1月には時間外労働の上限規制(年960時間)が適用されます。

長距離輸送を主に行っている運送会社の場合、中継地点を作ることや余剰人員の確保が必要になり、人員を確保することで人件費が増加するので、荷主企業との運賃交渉を進めていかなければなりません。

将来、人件費が増加することは間違いありません。
上記内容を取り組む上で人事制度(人事評価・賃金制度)の見直しは必須事項です。

人事制度見直しのステップをご紹介します。

(1)等級制度の見直し
(2)評価制度の見直し
(3)昇給・昇格制度の見直し
(4)賃金制度の見直し

まずは現在の総労働時間を把握し、(1)から(4)の手順で人事制度の見直しを行い、法に触れない仕組みを構築しましょう。

第五講座 荷主企業が今年考えていることとそれへの対応策

荷主企業の動きと物流戦略再構築の軸

コロナ禍の荷主企業において、「安定物流の確保」と「コスト削減」を目的とした物流戦略の見直しの機運が高まっています。

戦略再構築の視点として大きく下記5つに分類することができます。
「拠点分散と地場ネットワーク構築」
「配送・倉庫の共同化」
「システム&マニュアルを専門的に活かした倉庫業務再設計」
「販売管理データと物流管理データの連携」
「リスク回避のためのBCP策定」

運送会社は上記の荷主企業の5つの視点を意識し、「どのようにしたら、選ばれる物流会社になれるか」を心掛けていくことが大切です。
積載効率向上策など、荷主企業のウィークポイントを運送会社が補填することで、良い関係性の構築ができ、今後の仕事に広がりが出てきます。
荷主企業と協力をしながら一緒に物流戦略を見直していきましょう。

参加した研究会員の声

魅力ある会社作りの第一歩として、働く意欲の出る人事制度とは何か、経営層や所長職と考えるところから始めたいと思います。
(運送会社  M社)

非常に参考になるお話でした。日々変化する物流会社様が直面している問題を正しく把握し、自社の関連するサービスからご提案できる事を考えます。
(物流子会社 M社)

おすすめ情報

研究部会/トラックビジネス研究部会

概要
“運送業・トラックビジネスに特化した部会です。
運送ビジネスにまつわるテーマを網羅し、地域一番の物流企業を目指します。主なテーマとしては「ドライバー採用・育成・定着」「運行効率アップ」 「労務管理」「車両戦略」など、明日から使える業績アップに直結する内容をご提供します。”
詳細
https://www.f-logi.com/butsuryu/society/truck-business/