物流改善の事例を大公開!新・物流改善セミナー

2020年の6月15日~19日、22日~26日までの10日間、オンラインによる物流セミナー「新・物流改善セミナー~上手くいかない理由はここにある!~」を開催し、延べ2,000名を超えるみなさまにご参加いただきました。
ロジスティクスのプロの視点から「物流戦略リスク」「物流コスト」「契約・コンプライアンス」「3PL企業物流」「物流コンペ」「在庫」「センター収支改善」「自動機器導入」「庫内改善」「配送コース」といった10テーマによる講演を行ない、withコロナ時代の時代を生き抜くためのポイントをお伝えしました。

新・物流改善セミナー 講座概要

タイトル
テーマ(1)物流コスト知らないと損をする物流コストのウソ・ホント
テーマ(2)物流戦略物流戦略のつくり方
テーマ(3)物流コンペ誰も教えてくれない物流コンペの常識
テーマ(4)3PL評価成功する3PL企業の条件
テーマ(5)物流センター収支改善物流センター収支改善の方程式
テーマ(6)物流自動化マテハン導入の成功メソッド
テーマ(7)在庫管理欠品、過剰在庫による利益ロスを防ぐ適正在庫算出と製販調整
テーマ(8)庫内改善バッファ見落としがちな現場改善の余白
テーマ(9)配送コースできる配車マンが密かにやっている「配送コース見直し」の技術
テーマ(10)物流コンプライアンス知っているようで知らない物流コンプライアンス入門

テーマ(1)知らないと損をする物流コストのウソ・ホント

自社の物流コストの実態を把握し、競争優位な物流体制を構築

物流コストの妥当性(自社の価格が高いのか安いのか)を判断するために、価格入手のためだけのコンペを実施する、又は物流企業から見積もりを取るといった行為は、荷主企業の信頼度を下げることに繋がるため、適切な方法であるとは言えません。

一方、物流コストの削減に着手するためには、「物流サービスの取捨選択」や「社内部門間の見えない壁を撤廃」することが重要です。

テーマ(2)物流戦略のつくり方

競争優位な物流戦略を構築

企業の競争優位要素には「商品鮮度」「高顧客応答」「資産の有効活用」「アフターサービス」「ローコスト」などがあります。これらの競争優位要素は物流戦略なしに構築することはできません。

アパレル企業を例に見てみます。流行りものが店頭にあるといった「商品鮮度」で競争優位を確立するためには、「商品企画から店頭展開のリードタイムを最短化する」といった物流戦略が求められます。「高顧客応答」で競争優位を確立するためには、「受注から納品までのリードタイムを最適化」するといった物流戦略が求められます。

さらには、営業部門、生産部門との連携が取れていることも物流戦略のパフォーマンスを高める上で重要になります。

テーマ(3)誰も教えてくれない物流コンペの常識

委託先変更のリスクを把握したうえでコンペを実施

物流コンペ(委託先を変更)を行う際にはどのようなリスクが伴うでしょうか。また、伴うリスクに対して、どのような対策を取るべきでしょうか?
物流サービスの調達リスクには「品質」「柔軟性」「コンプライアンス」「コスト」がありますが、このようなリスクへの一番の対策は「リスクを緩和していくこと」であると言えます。

テーマ(4)成功する3PL企業の条件

荷主企業が3PL企業に求めていること

物流は激動の時代を迎えています。3PL企業として成功するためには、「自社の3PLとしての力量を測る」ことが大切です。
3PL企業としての力量を測る上での重要な指針をはじめ、荷主企業が3PL企業に求めていること、さらには、3PL企業の強み、弱みを定性・定量的に分析する力が求められます。

(1)組織力

部門を超えた連携があるか。教育制度が確立しているか。情報の共有が適切に行なわれているか。

(2)マーケティングノウハウ

自社の強みと弱みを分析できているか。
差別化ポイントをわかりやすい商品として訴求できているか。
販売促進策としてSNS活用、ウェブサイト刷新、SEO対策に力を入れているか。

(3)コンプライアンス対応

労働時間・働き方改革・リスクを想定した取り組みが行なわれているか。

テーマ(5)物流センター収支改善の方程式

コストパフォーマンスの高いセンターの特徴

新型コロナウイルスの影響で、作業者が密になる可能性があるため、物流センターの運営は難しくなります。
また、コロナ禍において市場は一層ドラスティックに変化しますので、物流センターをコントロールするための安全性が更に重要になります。

収支改善のために物流センターにて行うべき対応策はあるのか、コストパフォーマンスの高い物流センターはどのような特徴があるのかをまとめると以下の7点であると考えられます。

(1)シンプル構造(内製化)になっている
(2)役割分担が明確に区分され、徹底されている
(3)作業員が持ち場から離れない
(4)人による業務と自動化業務が区別されている
(5)『作業能率』と『作業進度』が管理されている
(6)センター収支を管理するためのKPIが設定されている
(7)自センターの良し悪しが明確になっている

上記7点を行うことでコストパフォーマンスの高い物流センターを構築することが可能です。

テーマ(6)マテハン導入の成功メソッド

マテハン導入前の「現場的思考」と「管理的思考」

物流業界は人手不足という大きな課題に直面しています。
ドライバーや倉庫作業員の不足により、物流企業の発展に負の影響を与えています。これから、人手不足は悪化の傾向が続くことが予測され、解決策として多くの企業がマテハン導入を検討しています。

これに対し、マテハンを導入する前に考慮すべき準備工程があります。
それは「現状分析」です。
現状分析とは
(1)なぜマテハンを導入するのか
(2)マテハンをどこに設置するのか
(3)何を設置するのか
(4)いつ導入するのか
(5)予算はいくらなのか

ということを準備することです。

昨今、マテハン導入を検討・実施される企業は増加傾向ですが、マテハン導入する前に、現状分析による「現場的思考」からスケジュールや導入予算を決定する「管理的思考」に進む手順が不可欠です。

テーマ(7)欠品、過剰在庫による利益ロスを防ぐ適正在庫算出と製販調整

在庫削減・在庫適正化のポイント

新型コロナウイルスの影響で、コロナウイルス発生以前にあった在庫・需要予測問題がコロナウイルス禍で浮き彫りになってきています。
サプライチェーンを強化して自社利益を獲得するため、在庫削減・適正化は非常に重要なポイントだと考えられています。

適正在庫を維持するための対策は以下の5点になります。
(1)需要予測をロジカルに行う
(2)需要予測に沿った販売計画を立てる
(3)販売計画に沿った適正在庫基準を設定する
(4)販売計画、適正在庫基準をもとに生産計画を立てる
(5)販売動向をみながら、生産計画を微調整する

withコロナの時代を迎え、結果在庫ではなく、計画的に在庫コントロールを行うことが大切です。

テーマ(8)見落としがちな現場改善の余白

現場改善は数値で把握

現場改善の第一歩として、現状を数値で把握することが重要です。品質、生産性とサービスレベルを対象に、各指標の基準を設定することで良し悪しが判断できます。

現場改善の視点として、大きく3つの点が挙げられます。

まずは作業レイアウトです。
作業レイアウトについて、①モノは一方通行に流れているか、②最小限のタッチ回数となっているか、③作業に必要な備品は半径1mにあるかを把握・確認することが必要です。

次にロケーション設定が挙げられます。
ABC分析とロケーション別ヒット分析によって、効率的なロケーション設定ができるようになります。

最後に、期間を設定して改善のPDCAを回すことが必要です。
すなわち、
PLAN:課題に対する改善策を検討します。
DO:改善策を現場で試験的に実施します。
CHECK:改善策導入による効果を数値で検証します。
ACTION:現場全体への運用落とし込みます。

これら3点を抑えることで失敗することなく、的確に現場改善を実行することが可能になります。

テーマ(9)できる配車マンが密かにやっている「配送コース見直し」の技術

「配送コース見直し」によって物流コストを削減

物流コストは大きく配送費、保管費、荷役費、その他の費用という4つに区分できます。その中でも配送費は全体の6割~7割と言われ、物流費コストの中に占める割合が最も大きいです。

配送の手段としては貸切便、共同配送便、路線便、宅配便などが挙げられます。貸切便は固定費となることが多いため、配送コースを見直すことがコスト削減に繋がります。
物流会社にとっても自社の利益率を高めることに直結するため配送コースを見直すことは配車の効率を向上させ、最終的には原価の削減に繋がります。

配送コースを見直す際に留意すべきポイント:
・配車の効率性
・マスタの整備と管理
・運用ルールの把握と見直すための改善提案

テーマ(10)知っているようで知らない物流コンプライアンス入門

自社の物流業務(委託業務)の全体像を把握

コンプライアンスとは「法令順守」です。法令を遵守することは当たり前且つ最低限のことで、法令違反を引き起こすような荷主からの要求は禁止されています。法律として制定されていなくても、社会通念上の規範・ルールに従って企業活動を進める必要があります。
コンプライアンスを順守できていないと、企業は罰則の対象となり、社会的信頼を失い、顧客を失うなど、企業活動に大きな影響を及ぼします。

物流関連法令の一部として、労働基準法、労働者派遣法、過積載、標準貨物自動車運送約款の改正(適正な運賃・料金収受に向けた方策)とフォークリフトの操縦を紹介しました。
それら関連法令を主体的に順守するのは、物流会社(実運送会社)であることが多いですが、荷主企業として一切関与しなくて良いというものではありません。物流会社の法令違反を引き起こすような、荷主企業からの過度の要求があったと認められた場合には、荷主企業名が公表され罰則の対象になります。

したがって、物流会社でも荷主企業であっても自社の物流業務(委託業務)の全体像を把握する必要があります。

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