わずかな染みで大暴れ
「一天にわかにかき曇り」という言葉があります。
「それまで晴れてたのに、急に雲行きが怪しくなって、今にも雨が降り出しそうになる」ということです。
歌舞伎の『雷神不動北山桜』という演目にある台詞です。
天と同様、企業を取り巻く環境も、にわかに雲行きが怪しくなり、雨の様相となります。
エレコムの社長、葉田順治氏は、この言葉を挙げ、「曇ってから動くのでは遅い」と言います。
葉田社長曰く「僕は、空にわずかな染みが出ただけで、『雨が降るぞ』と大暴れします」。
例えば、スマートフォンが出てきたときも、「パソコンがやばい」と直感し、社内で「これからはスマホだ」と、1日に何べんも叫んだそうです。
はじめは動かない社員も、『大暴れ』すればムードができて、動くようになり、よい方向に向かうとのことです。
しかし、葉田社長は、「社員に危機感を持たせようとは、全然考えていない」と断言します。
つまり、トップが危機感を持って大暴れすれば、自然にその意識が共有され、先手を撃つことができるということなのでしょう。