提案制度の効用
「提案制度を導入したが、”提案”ではなく、”要望”を出してくる人が多くて、困っている」という経営トップの嘆きを、聴くことがあります。
要望とは、客体的で、定量的効果が見込めない事項です。
要望は、ワガママと紙一重のケースが多いため、経営トップが嘆く気持ちは、よく解かります。
しかし、マクロに視ると、提案だけではなく、要望もどんどん出してもらった方が、よいでしょう。
なぜなら、たとえワガママや甘えに近くても、出した人がそのように感じていることは、事実だからです。
事実をつかまなければ、適切な対処はできません。
もしもその要望を聴き入れないとしても、不満を持たれたまま、それを知らずに置いておくのと、知った上で不採用の理由を説明するのとでは、まったく違います。
提案制度は、社員の今の気持ちを知るためのシステムでもあります。