自己陶酔は観たくない
広告を制作する際に、最も重要なポイントは、相手が知りたいことを伝えることです。
しかし、広告主は、得てして”相手が知りたいこと”ではなく、”自分が知らせたいこと”を発信してしまうものです。
映画監督の市川崑氏は、かつて「映画監督にとって一番大切なことは何ですか?」という質問に対して、次のように答えたそうです。
「自分自身が長く観たいシーンをバッサリと切ること」
監督は、自分が撮ったシーンは、どれも大切だから、切りたくないでしょう。
しかし、自分の気に入ったシーンばかりを長々と映したら、観客に自己陶酔を見せつけることになります。
「監督の自己陶酔なんて、客は観たくない」と市川監督は言います。
お金を払って観る映画でもそうなのですから、広告の自己陶酔ならなおさら要りません。