荷役料の収受負担のギャップ

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白石 哲郎

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部 
チーフコンサルタント

物流企業に対して倉庫作業員やドライバーの採用支援に主に従事。船井総研ロジの300社以上のクライアントデータから時流を分析し、採用課題改善の提案を行っている。​​

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昨今の燃料高やますますのドライバー採用難で運送会社の収益は圧迫されています。
そこで荷主への条件交渉を行っている会社も増えていると思います。

今回のコラムでは条件交渉をする前におさえておくべき、「荷主と運送会社のギャップ」について国交省が令和2年に実施した「トラック輸送状況の実態調査結果」を基にお伝えします。

トラック輸送状況の実態調査結果

以前調査に関して、弊社のコラムで荷待ち時間の認識の差が大きいことをお伝えしましたが、それ以外にも荷役料収受のギャップという問題が浮き上がってきます。

調査では荷役料の認識に対して荷主、運送会社、ドライバーに似たような質問をしており回答の結果が以下となります。
  • ・荷主が荷役料を自社が負担していると回答した割合:82.9%
  • ・運送事業者が荷役料を収受していると回答した割合:55.4%
  • ・ドライバーが荷役料を収受していると回答した割合:33.1%
これを見るとかなりの認識の開きがあると言えます。

ドライバーの給与が低い原因

上記の調査結果から、荷主側は80%以上が荷役費を負担していると回答しています。一方でドライバーの回答は30%ほどです。これが実態通りだとすると、荷役料が支払われず対応しているのが50%近くあると考えられます。

拘束時間や体力的負担の割にドライバーの給与が低い原因が透けて見えます。

運送会社とドライバー間での認識のギャップ

また、運送会社とドライバー間での認識にギャップがあるのも注目すべきポイントです。

会社があずかり知らないところで、契約外の荷役をさせられている可能性があります。現場で頼まれれば、ドライバーが断るのは難しいと思います。
現場の実態を会社が把握できていないことは、会社への不信につながりかねません。

荷主交渉に向かう際は、収支を管理することはもちろんですが、実態と契約条件に差異はないか、今一度チェックする必要があります。

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