80倍のモチベーション
従業員提案制度の報酬を変えることで、提案の数を約80倍にした事例が、D.カーネギー協会【編】『リーダーになるために』という本で、紹介されていました。
コーニング社という、ニューヨーク州に本社を置く、世界最大級のガラス製品メーカーの事例です。
同社の従業員提案制度は、もともとは「採用されると、薄謝(金銭的報酬)がもらえるかもしれない」という、よくある仕組みでした。
しかし、あまり真剣に取り組まれておらず、会社からの反応は、ほぼなかったそうです。
そこで、「もし提案が出されたときには、2週間以内に回答する」という規則を決め、薄謝をやめて表彰にしたところ、冒頭のとおり、提案の数が約80倍に増えたそうです。
そして、実行に移されるものは、40~50倍に増えました。
つまり、いくらか懐が潤うような報酬よりも、①実行性がある、②フィードバックがある、③自尊心が満たされるといった報酬の方が、よほど従業員モチベーションを上げるということでしょう。