自動車運送事業における女性活躍セミナー「女性の視点で魅力ある職場環境を考える」
国土交通省中部運輸局様主催の自動車運送事業者に向けた女性活躍セミナーが2020年2月5日(水)に開催されました。
(詳細:https://www.pref.aichi.jp/site/womenomics/jidoshaunso.html)
本セミナーでは、女性比率が他業界よりも少ない自動車運送事業において女性社員が活躍するにはどのようにすればよいのかについて、船井総研ロジ株式会社 志宇知が「女性ドライバーが集まる会社がやってること大公開!」と題して基調講演を行いました。
目次
女性ドライバーが集まる会社がやっていること大公開!
物流業界における女性社員登用の実態
現状トラックドライバーとして働いている女性は全トラックドライバーのうち2%程度しかいません。全産業における女性割合はおよそ42%と女性の社会進出が進みつつある一方で物流業界の女性進出は全産業と比較しても非常に遅れているのが現状です。
女性の大型免許取得者は2020年現在で、137,980人いる一方で、実際にドライバーとして働いている人はその6%ほどしかいません。
つまり、ドライバーを職業の選択肢として考える女性は潜在的には一定程度見込めるのにも関わらず、運送会社で働くハードルが高く一歩踏み出せない人や、1度大型ドライバーとして働いていたが年齢的なブランク、子育てや結婚など女性特有の退職理由などから離脱した層が大勢存在すると考えられます。
今後は、これまでの運送会社の実態を変化させ、女性はもちろん誰もがライフステージに合わせた自由な働き方ができる持続的な労働社会を目指すべきです。
女性ドライバーが活躍している会社の事例紹介
そのような中でも、女性が生き生きと働いている運送会社ではどのようなことを行っているのでしょうか。
数ある中で1社事例をご紹介します。
愛知県のある運送会社様では、お子様をもつママさんでもドライバーとして働ける仕組みを作成しました。
学校行事への参加、お子様の急な体調不良などの休みに対応できるようにどのコースも、最低でも2人以上のドライバーが走れるよう日頃から仕事を持ち回りでこなせるようにしています。この仕事はこの人しかできないといったような属人的なことにはならないように、仕事を多能工化し、女性が女性を支える仕組み化が、実現されつつあります。
物流業界における女性活躍のために必要な3つのこと
今後、物流業界において女性が活躍するために必要なことを以下で3つでお伝えします。
(1)仕事内容の見直し
新規の仕事の獲得に加えてまずは、既存の仕事から女性でもできる仕事を洗い出しを行いましょう。
・今まで大型車で運んでいた仕事を女性でも運転しやすい小型車などに分散化
・男性2人で動いていたところを女性5~10人採用しシフトでまわす
(2)環境の整備
多様な働き方を前提とした設備投資を行いましょう。
最も入りやすい入り口は、更衣室やトイレの常備から、のちに小型・中型・ AT車などの車両の用意など、採用した女性の意見も踏まえ、徐々に改善していくことが重要です。
(3)受け入れ体制の構築
運送会社への入職は女性にとって心理的にハードルが高く感じる方も多数います。ハードル低減の為の体制を構築しましょう。
既存社員に対し女性が働くことへの理解を社内研修などで周知徹底し、女性社員と男性上司、双方向から相互理解を図る必要があります。
また、ゆくゆく女性が増えていくにつれて女性の管理職の輩出するためのキャリアプランを整えるために社内で女性活用チーム(委員会)を立ち上げたり、選任者を作ることも大切です。
今後、人口減の日本において今までと異なる層にも対象を広げていかなければいけないません。
女性が働きやすい環境を整えることで、男性社員も働きやすい環境にもなります。
今後、男女各々が持っている良い面を活かし、企業の更なる成長・発展・競合他社との差別化を行いましょう。
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