船井総研ロジの原点!アメリカ物流視察から得た考え方3選
当社は、2020年5月をもちまして、創立20周年を迎えました。当社は20年以上前に現社長の菅がアメリカの3PL企業視察を通して、日本の物流との違いに衝撃を受けたことからスタートしました。
目次
物流先進国 アメリカ
そもそも「物流」という言葉は、60年以上前にアメリカから輸入されてきた言葉です。また、3PLもアメリカで誕生した後に日本に渡ってきたビジネス形態です。
物流先進国の1つであるアメリカでは、1980年前後の規制緩和を契機に、物流業界に大きな変革が起きました。日本はその10年後に規制が緩和されたこともあり、日本の物流は欧米と比べ約10年遅れているといわれています。
当社では、毎年「海外物流視察セミナー」を実施しており、例年たくさんのお客様にご参加いただいております。
残念ながら今年は新型コロナウイルスの影響から開催は見送られました。
そこで今回のコラムでは過去2年の海外物流視察セミナーを振り返り、アメリカの物流企業やロジスティクス部門から学び、日本も取り入れるべき考え方を3つご紹介します。
アメリカの物流から学ぶ、日本が取り入れるべき物流の考え方
「競合は△△であるが、当社は○○である」という差別化
自社の特徴を認識し磨き込むことは簡単ではありませんが、「当社は○○である」と言えることは、顧客のロイヤリティを高めることに繋がります。
また、自社の特徴を明文化するにあたっては、企業のミッションやビジョンが浸透していることがポイントとなります。
例えば、Amazon社のフルフィルメントセンターは同社のミッションである「地球上で最も豊富な品ぞろえ」「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」を具現化するための設計となっています。
企業のミッションやビジョンが物流戦略の中に凝縮されることで、見えてくる特徴があるのではないでしょうか。
自動化とともにある人のマネジメント
自動化は人手不足解消という側面だけでなく、従業員の時間当たりの労働生産性を高めるための要素でもあります。
そのため、マテハンやロボットの導入時には同時に社員のスキルアップや職務内容の見直しなどのキャリアプランをセットで考える必要があります。
港湾労働組合の強いロサンゼルス港・ロングビーチ港の一部は、すでに全自動化がすすめられ、自動化を人が支え、自動化に対応したマネジメントへの変更が並行して進んでいます。
未来を予想した立地戦略
人々の総報酬(金銭的報酬だけでなく、福利厚生や職場環境、生活の質など、仕事によって得られるすべての報酬)志向は止まりません。
つまり、仕事があれば人が来る/人がいるから仕事をつくるだけでは生き残っていくことは難しくなります。
将来を見越して、人々の生活の質に影響する要素(都市計画、人口増減、気候、主要都市への距離、交通の便、生活コスト)を加味した拠点展開が必要です。
実際に、2019年に視察したテキサス州のダラスは、生活の質の高さが注目され、近年多くの企業の本社や物流ハブが見受けられます。
日本の物流の強みを世界へ
いまや世界中が新型コロナウイルスの影響を同時に受けるほど世界は繋がっていますが、やはり他国がどのような動き、考え方をしているのかを知ることは、今後の日本の未来を描くことにもつながります。
また、世界における日本の強みを見出すことにもなるのではないでしょうか。
当社では、この先の20年も更に皆様のお役に立てるよう、有益な情報発信とサービス提供を続けてまいります。
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