第311回 物流AI・ロボティクスのイノベーション その1
2018年は物流オペレーションが劇的に変化しようとしています。
深刻な人手不足を背景に、AIとロボットの開発は大競争時代へと突入しています。
今、物流業界におけるAIやロボティクス化がどのようなレベルにあるのか?
今後どうなっていくのかを考察します。
(1)物流オペレーションの4段階(Logistics4.0)
第一段階
作業者の記憶や勘、経験による手作業・リフトを中心とした人力オペレーション
第二段階
倉庫管理システム(WMS)や自動倉庫・仕分ソーターなどのマテハン機器が、単一システムで稼働した人力マシンオペレーションが主流となる
第三段階
IoTよる各システム及びマテハン機器・ロボットなどがリアルタイムで繋がったスマートオペレーション(可視化)が実現する
現在は第二段階の人力マシンオペレーションから第三段階のスマートオペレーションへ移行しています。
今後の予測は以下の通り。
第四段階
SCM全体をAIが制御し、全てが可視化された最適な物流環境が構築される“ネットワーク型オペレーション”に移行する。
この第四段階におけるシステムの全体像としては、以下を想定しています。
(1)SCM統制
(2)貿易業務
(3)拠点在庫管理
(4)輸送管理(国際・国内)
(5)全体コスト管理
(6)拠点WMS
(7)マテハン管理
(8)トラック、リフト等の車両管理
(9)人員管理
(10)決済管理(ブロックチェーン応用)
(11)3Dプリンター管理
と、AIが管理する機能は多岐に渡ります。
これらの機能をどのシステムが分担するのかを考えてみます。
1.AI-SCM管理システム
SCM全体をこのAIシステムが管理します
2.AI搭載WMS
倉庫オペレーションや要員配置・作業生産性・スタッフ管理・コスト管理・在庫管理を行う
3.AI搭載TMS
海外を含めた全輸送(海上・航空・陸上・河川・鉄道)を管理します
4.RPA(Robotic Process Automation)
貿易業務や受発注業務、請求業務などを実行します
5.AI搭載決済管理システム
海外を含む全ての決済業務を行います
将来的にはブロックチェーン技術が活用されます
6.AI搭載3Dプリンター
消費地に設置されたオンデマンド物流センターへ導入され、需要予測に基づいた、最適な生産活動を実行・支援する
次回からは上記1.~6.の機能AIシステムについて深堀致します。