第181回 物流部門のBCP対策その2

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

■物流部門のBCP対策(1)商品マスターの分類

物流部門においてBCP対策を策定するには部門における「コア業務」を選定することから始めます。

物流部門にとっての「コア業務」とは何になるのでしょうか?

BCP策定の視点は、①企業の社会的責任の遂行②企業経営の維持・存続を重視しなくてはなりません。

自社が製造している機械部品が、社会インフラ(電気・ガス・水道や鉄道・船舶・航空機・電話などが代表的なものだが、IT技術や食品製造なども含まれる)に携わる物であれば、製品の供給を続けなければなりません。

また、自社が存続するために出荷しなくてはならない製品も継続体制を維持しなくてはなりません。

その他の製品は災害発生時や新型インフルエンザの発生・流行時には一旦縮小や停止をすることも明確にしておかくてはなりません。

上記の観点から物流部門として、在庫品を管理する場合に

①社会インフラ品群
②コア事業品群
③その他製品群

などのように、商品マスターの分類が必要となります。

商品マスターの分類は、緊急時において優先的に出荷をする製品と一旦出荷停止とする製品を明確にしておくことが目的となります。

■物流部門のBCP対策(2)在庫ロケーション

優先的に出荷を行う製品が一般在庫の中に埋没していると緊急時においてピッキングが出来なくなることも想定されます。

在庫ロケーションの考え方は、業務の効率性を重視したABC分析などで配置が決まりますが、BCP対策を考慮すると多くの矛盾点が考えられます。

この場合、BCP対策における未然防止を図るため、在庫ロケーションの考え方をどうあるべきか事前に協議し社内決定を行う必要があります。

一方で物流オペレーションをアウトソーシングしている場合、BCP対策によるロケーション設定を要請することは、コスト増大の可能性もあり極めて悩ましい問題となります。

この問題の対策案として、工場からの直送体制や複数拠点での在庫分散などが想定されます。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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