第113回 ハイレベルな物流現場を持続する7つのコツ(2)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

7つのコツ(その1)「更衣室と化粧室」

製造業が建築した倉庫(配送センター)と、運輸業が建築した倉庫(配送センター)では、施設の設計やその仕様が大きく異なる事がわかります。

まず第一に、製造業が建築した物件には必ず『更衣室』や『休憩室』が完備されています。

これは、元来従業員が勤務する事を前提として建築した工場施設の延長にあり、場合によってはムダとも思える程の大きなスペースがあったりします。

その点、運輸業が建築した倉庫では『休憩室』はあっても『更衣室』は案外無かったりする事が多く見受けられます。

この理由はというと、営業目的で作られた倉庫ですので、建ぺい率や、容積率は最大値であり、投資に対しての回収見込みを十分に得れる為の設計となるわけです。

自社運営物流からアウトソーシング化が進み、社員からパート・アルバイト・人材派遣へと雇用形態も変わりました。

しかし、ローコストであり持続した改善活動を行っていくには、直接雇用施策が最適です。

特に、多くのパートさんを雇用し永く勤めて頂くには『更衣室』と『化粧室』はとても大きな要因なのです。

短時間労働のパートさんであっても、帰社後にお買い物をしたり、遊びに出かけたりと人それぞれ勤務後の行動は様々です。

勤務後そのまま、お買い物やお出かけに行くためには、財布もありカバンもあります。

また、冬になればコートやジャンパーなどかさ張るスタイルとなります。

こういった点を考慮すると、各自個別のロッカーや更衣室は当然必要となります。(財布などの貴重品もあるので、鍵付き)

また、女性の多い職場であると清潔な『化粧室』も至極当然の設備です。

ほんの少しの時給の違いよりも、このような施設の違いによって女性の職場定着率は大きく変わってきます。

保管料の対象でもなく、作業スペースでもない従業員のための施設ですが、気持ち良く『仕事』に従事してもらうには職場環境の向上が品質の向上やコスト低減に関係してくるものです。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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