第104回 物流子会社の影響力その4

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

次号より続き…

<1> 親会社及びそのグループ企業の保管・荷役・輸送を事業とし、自社従業員が保管・荷役・輸送の実務提供を行っている。

<2> 親会社及びそのグループ企業の保管・荷役・輸送を元請し、その一部は自社従業員で実務提供を行っているが、大半は管理業務を主体としている。

上記 <1> 及び <2> は物流子会社の典型的な業態であると思われます。

前述しました①~③

①親会社の物流における求められるサービスレベルの維持及び向上
②永続的なコスト削減による親会社への利益貢献
③親会社の人事対策

の中で、「①親会社の物流における求められるサービスレベルの維持及び向上」については、永年培ってきたノウハウがその親会社の物流を行う上では、最高の品質となり十分な貢献を果たしていると想像されます。

また、小職が物流子会社を持つ親会社の販売部門や物流管理部門などの方との対談では、品質についての不満足な意見は殆ど聞いた事はありません。

ほぼ全ての方が「物流サービスについては一定以上の役割を果たしており、満足度は高い」と言われています。

しかし、こと物流コストに関しては「十分満足と言える」との認識は少数意見と思われ、特に販売部門や経営企画部門では「あらゆる工夫と努力により更なるコスト削減を実現して欲しい」との意見が多いと思われます。

物流コストを永続的に削減していく事は、もちろんゼロとは成らない限界があります。

量や時間の物質的及び制約的な環境の変化が無い限り、親会社の求める「永続的なコスト削減…」は到底無理な要求となってしまうのです。

しかし、冗費の削減や現場改善などは永続的に可能な取組みであり、これは物流子会社に限らずどこの企業にも該当する終わりなき取組みなのでしょう。

こういった物流コスト削減についての限界点に達した場合、必ず「親会社の商品だけを担っているから、限界がある。

物量を増やして、合理化を高める事によって、更なる物流コストダウンが可能ではないか?」と言う「外販志向」が生まれてくるものです。
 
次号へ続く。 

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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