第95回 物流業界におけるコンプライアンス・コスト(5)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

規制管理コスト

物流業界には様々な規制が関わってきます。

新規営業や他分野進出に関わる規制は、時代の変革と共に緩和が進められました。

しかし、緩和される裏側には雇用や環境における新しい規制など、むしろ強化されたものもあり物流を取り巻く外発的・内発的環境の厳しさがより深刻化されています。

重厚長大産業から少量多頻度を求められる小口化が顕著に進み、生産から消費に至るまでのリードタイムは劇的に変化されています。

個別荷主の単独輸送から、複合荷主による積み合わせ輸送(協同配送)へシフトされた顧客ニーズは、単に料金(コスト)削減からの要求に留まらず、業界を取り巻く環境問題へと発展しています。

輸配送時に発生するCO2削減や、一方通行である物流資材の軽減化(リサイクル志向)、モーダルシフト(船舶や鉄道への輸送モードの切替)などは、まさに社会ニーズを満たすべくコンプライアンス・コストと言えるでしょう。

これは、法人(民)のニーズから社会(官)のニーズへ変換された新時代の産業構造であり、荷主企業であっても物流企業であっても果たさなくてはならない社会貢献(コントリビューション)を担った新しい時代の経済概念となります。 
 
各種の規制に対する管理コストは、特に遵法を尊重する必要費用であり、今後の物流業界の成長及び発展には排撃してはならない社会コストと受け止めるべきでしょう。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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