第241回 物流サービスの対価その6
今シリーズは、荷主へ提供される物流サービス対価についての考察いたします。
前号から引き続いて、物流サービスの適正なコストを分析する手法を考えます。
物流企業から提供される物流サービスのなかで、「差別化されたサービス」の コスト妥当性を評価するには、そのサービスの全体像を把握し、構造やスキームにおけるキーファクターを理解する必要があります。
コスト構造として捉えておきたい項目は、以下の3点です。
- (1)物件費…物流センター・倉庫・工場など
- (2)設備費…マテハン機器・車両及び付帯機器など
- (3)人件費…社員及びその業務に関係する作業費など
上記の費用項目のなかで、(1)及び(2)は精緻なレベルでの把握は当事者でない限り、難しいと思われますが、目に見える物件や設備は調べることは可能です。
重要なコストは(3)の人件費となります。
一般市場には出回っていない物流サービスとなると、人に関わる全体像を把握する ことは困難を極めます。
関係者の人員数やそのサービスに費やす時間を、仮説に基づいて推計します。
ここで重要なことが「仮説に基づいた推計」となります。
どのような業務でも、およそ全くその全体像を想像できない作業はあり得ない ものと思われます。
完全把握ができなくても、概要を考え、業務フローに落とし込むことが出来れば、 それに関わる人員数なども推計可能となります。
また、ある程度の行程に関しては別の作業フローをイメージしながら人員数を類推する手法も必要です。
こうして、未知なる市場の差別化された物流サービスは全体像を把握し、業務フロー を完成させることでその詳細を究明します。
物件費と人件費の構造が理解できれば、コスト検証はほぼ可能となります。 ・・・次号へ続く。
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