第271回 変貌する物流戦略17

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今週水曜日(4/15)のFunai物流オープンカレッジは「輸配送マネジメント」を主題に、各輸送モードの市場価格について考察します。

自社の調達運賃が最適なのか?疑問に思っている方や悩んでいる方にはタイムリーな内容です。

特に、路線・主要幹線のチャーター運賃など。

あと数席程度はスポット参加枠があるようです。詳しくは事務局へお気軽にお問い合わせください。

さて、今回の「物言う物流部?」とは、いったい何を言っているのか??と思われていることでしょう。

物流部の役割は、自社の製品及び調達品・在庫に関する管理業務や顧客への配送サービス・コストなどの管理・主幹部門となります。

大半の企業では管理部門としての位置づけであり、コスト削減予算はあっても、収益獲得予算はないものと思われます。

そのような「物流部」の次なる活動は、顕在化しているコストに隠れている“潜在的な物流コスト”がターゲットとなります。

物流コストは「保管料」「荷役費」「運賃」と大きく3つに分類されます。

更にそれぞれが「調達物流費」「社内物流費」「販売物流費」と3区分に分けられます。

それぞれの物流コストには既に明確なコストとなっている“顕在的な物流コスト”と、その裏に隠れている“潜在的な物流コスト”があります。

例えば、千葉から大阪へ商品総重量1,800kg、配達着時間は09:00の出荷指示が出されたとします。

この重量・この時間指定では、路線便は運んでくれません※。

対策として4tチャーター便を1台出したとします。

(※)2tは長距離輸送をしないため。

通常はこの4tチャーターの料金を可能な限り廉価にしようと努力します。

これが「顕在的な物流コスト」です。

物言う物流部は、このチャーターに隠れている「潜在的な理由」を追求します。

なぜ、チャーター便なのか?

なぜ積載率100%にできないのか?なぜ時間指定なのか?

これは、物流部の中では決して解決しない問題です。

なぜなら、販売部門もしくは生産・調達部門などへの確認や調整が必要となるからです。

多くの日本企業は組織構造が縦型となり、並列である他部門への関与や口出しは禁じ手となっていました。

グローバリゼーションが進む現代においてこの旧態依然とした社内環境は、コストという宝の山を放置する最もムダでもったいない領域です。

当たり前に流しているひとつのチャーター便も、どれだけ客観的かつ多面的にその本質を捉えることができるのかが、潜在的な物流コスト削減の重要な視点となるのです。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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