第25回 物流M&A(4)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今号は、物流企業の価値をどう判断するのかをお伝えします。  

財務的な企業価値評価は別の号でお伝えするとして、ビジネス面での企業価値の考え方として以下の3点を大項目として捉えます。

(1)過去の企業活動による価値
(2)現在の企業活動による価値
(3)将来の企業活動による価値  

特に、企業価値を適切に判断するには(2)現在価値(Present Value) と(3)将来価値(Future Value)が重要な視点となります。

財務的な価値評価に対して、物流業という無形サービスが将来も継続して対価が得られるのか?といった厳しい着眼点を持って詳細を調べていきます。  

この3点に加えて以下の3点が次の評価要因としてあげられます。

(1)現在のリスク(2)将来のリスク(3)事業を継続していく上でのリスクを現在と将来において的確に抽出し、その解決策をも評価対象として考慮する必要があります。

次に、経営全体が適切に行われ且つ将来において企業価値を創造できる 活動なのかといった視点では、

(1)ビジョン(将来における夢)
(2)ミッション(企業としての使命)
(3)ストラテジー(成長するための戦略)
(4)アクションプラン(実行計画)  

数年前までのビジネスデューデリではあまり重要視されなかった以下5点 について、現在及び今後は重要視されます。

(1)環境面での対応もしくは取り組み
(2)継続した雇用確保のシクミ
(3)安全に対する責任について
(4)教育に対する取り組み
(5)契約書(荷主企業及び協力会社)の内容  

また、運輸部門での売上と倉庫・荷役・流通加工などの売上では、リスクを考える上では大きく違ったものととなります。  

更に、協力会社さんとの関係調査というもの行います。

適切な価格で 継続できる関係を築いているのか?もしくは、価格のみでの関係で景気の 浮き沈みなどにより、簡単に切れてしまう関係か?といったものです。

次週号は更に深い内容をお伝えします。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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