物流センターのコストを決めるのは○○の比率

Pen Iconこの記事の執筆者

田代 三紀子

船井総研ロジ株式会社 執行役員 兼 コンサルティング本部 副本部長

製造業・小売業を中心とした荷主企業に対して、物流戦略策定の支援を行い、物流拠点の見直し、コスト削減策の提案、物流コンペの支援を数多く行ってきた。また、物流子会社に対しては存在価値、あるべき姿の策定、他社との競争力評価(物流子会社評価)を行っている。得意なカテゴリーは、化学、日用雑貨など。また、物流をテーマにした数少ない女性コンサルタントとして、脱炭素、ESGロジスティクス実行に向けた研修やコンサルティングを行っている。

≫ 荷主企業(製造・卸・小売業)向けコンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

お客様より、こんな質問をよくお聞きします。

「自社の物流コストが他社と比べて高いのか安いのか分からない」

「市場における物流コストの相場と比較した場合、自社の物流コストの水準が適正なのか分からない」

確かに、他社の物流コスト、細かく言うと輸送単価(運賃タリフ)、荷役単価、保管単価は知るすべもなく、荷主企業において自社の物流コストの妥当性を判断するのは難しい状況です。

しかし我々の場合は、これまで数多くの荷主企業の物流コスト診断、価格競争力評価等のコンサルティングを実施してきた実績から、業界毎かつエリア毎の物流コストの相場を把握しております。

また、自社で運営している3PL事業においては、実際の物流現場で発生する物流費用の価格交渉を自ら行っております。

これにより、物流事業者からも物流コストの相場に関する最新情報を収集しています。

このような方法で情報を収集できるのは、弊社がコンサルティング業を生業としている故の特権ではありますが、秘密保持を遵守する観点から、個別企業の細かい単価情報をみなさんに開示することはできません。

しかし、自社もしくは他社の物流コストを知る一つの指標があります。それは、物流センターで働いている方の人員構成と比率を確認することです。

まずは、物流現場を外部へ委託している場合、物流センターで働いている人の人数と内訳として、正社員・パート社員はそれぞれ何名ずつ配置されているのか確認してください。

業界や作業内容により若干のバラつきはありますが、総人員のうち正社員の比率が10~15%のレンジに収まっていればよいでしょう。

20%を超えていると、そのセンターは高コストなセンターの可能性があります。

物流センターの作業単価は、働いている人の人件費をもとに算出されています。

人件費の高い正社員が多く占めるセンターであれば、固定人件費が高くなり、結果、作業単価アップの要因につながります。

仮に、正社員比率が高い分、作業品質もずば抜けて高いということであれば荷主も納得感を得られます。

昨今建設される物流施設は巨大化され、エリアも密集し、大量の働き手を確保するためには正社員だけではまかないきれません。

今後の物流現場は、パート社員でも高パフォーマンスが発揮できるような業務設計を構築し、各自のスキルアップが図れる教育体制を充実させ、恒常的な改善活動が実施できる職場環境作りが求められます。

物流現場においては、正規・非正規の垣根を越えた新たな職場環境の作りこみが必要となってくるのではないでしょうか。

皆さまの現場もしくは委託先の現場は、果たしてどのような環境なのでしょうか?

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田代 三紀子

船井総研ロジ株式会社 執行役員 兼 コンサルティング本部 副本部長

製造業・小売業を中心とした荷主企業に対して、物流戦略策定の支援を行い、物流拠点の見直し、コスト削減策の提案、物流コンペの支援を数多く行ってきた。また、物流子会社に対しては存在価値、あるべき姿の策定、他社との競争力評価(物流子会社評価)を行っている。得意なカテゴリーは、化学、日用雑貨など。また、物流をテーマにした数少ない女性コンサルタントとして、脱炭素、ESGロジスティクス実行に向けた研修やコンサルティングを行っている。

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