物流子会社の営業マン必見!物流に対する荷主企業の意識の実情
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春を迎え、新社会人を新入社員として迎える時期となりました。
物流企業各社でも、慢性的なヒューマンリソース不足脱却のため、採用に注力されたことと思います。
さて、昨年一年間はヤマト運輸社の宅配運賃値上げを皮切りに、宅配会社・路線会社などの物流企業が値上げ・荷物の選別を進め、物流業界の変革の年となりました。
当社にも値上げや集荷拒否を受けた荷主企業からのご相談が多数寄せられ、荷主企業全体の物流への認識が変わったと感じていました。
しかし、今年に入っていろいろなお客様とお話させていただく中で、いまだに大きなギャップがあると実感しました。
今回は物流子会社や運送会社などの物流企業の皆様に向け、物流に対する荷主企業の意識についてお伝えします。
ぜひ、値上要請をされる際のマインドチェンジに役立てていただければと存じます。
目次
ドライバー不足と言われているが、本当に不足しているのか
お客様とお話をさせていただく中で、一番ギャップを感じたのがこの質問でした。
荷主企業の皆様、特に自社の物流に直接関与されていない方々にとっては、世間的に繁忙期とされる年末でさえも荷物の出荷もできたし、個人的に通販で注文した商品も多少のズレはあったものの問題なく配送されていた、そこまで危機的状況であるとは感じられない。と考えられているようです。
実際、トラックドライバーは減少しているのでしょうか。
以下は総務省統計局が公表している、トラックドライバーを含めた「輸送・機械運転事業者数」のグラフになります。
グラフだけ見ると、ドライバーは減っていない、むしろ少し増加していると見受けられます。しかし、以下の道路貨物運送業の年齢構成をみると…
29歳以下の構成比率が減少し、2014年以降10%以下で推移しています。
対して55歳以上の構成比率は 年々上昇しており、2015年以降25%以上で推移しています。
55歳以上の労働者が10年後全員リタイアすると考えると、差し引き15%の労働者が減少することとなります。
このようなドライバーの高齢化、逓減がドライバー不足の一因です。また、顧客からの要望による少量多頻度納品やEC化による宅配個数増加などの影響により、荷物の「件数」が増加していることも要因の一つです。
以下は国土交通省が公表している物流センサスからある3日間の流動重量・流動件数を調査した結果になります。
流動重量に大きな変化は見られませんが、流動件数が上昇傾向にあり、1件当たりの重量(流動ロット)が減少していることがわかります。
1人のドライバーが配送する納品先が多いほど手間がかかり、時間を要することは火を見るよりも明らかです。
以上より、高齢化によるドライバーの逓減や件数増加によるドライバー負荷増などの原因により、ドライバーは確実に不足する、不足しているといえます。
ドライバー不足などの問題はあるかもしれないが、物流費削減は今後も進めたい
企業である以上、売上を伸ばし、原価を抑え、利益を守ることは当然のことです。
特に原価に含まれる物流コストは増減がダイレクトに営業利益に影響するため、非常に重要なファクターとなります。
今は物流企業各社で値上げ要請が盛んに進められていますが、荷主企業も必死で抵抗します。
値上げを打診される物流企業は、せめて荷主企業が納得できる理由・値上げ幅を準備の上進められることをお勧めします。
納品時間指定や軒先渡しなどの納品サービスは低下させたくない
長年の流れから、多くの荷主企業の営業担当者は納品時間指定や軒先渡しなどの納品サービスが当たり前のサービスであると認識されています。
中には倉庫内へ進入し格納まで行うサービスや店舗の棚に陳列まで行うサービスまでも同様にとらえられている場合があります。
昨年からトラック運送事業の約款改正が進められており、車上渡し・車上卸し以外の範囲のサービスは費用が設定されることとなります。
当然、今まで無償で行われていたサービスにも費用が設定されるため、荷主企業は納品サービスを維持するために費用負担増となります。
荷主企業としては納品サービスを低下させることによる顧客離れを 警戒しているため、品質は下げたくないが、費用もかけたくないというのが本音です。当たり前ですが。
そこで物流企業の皆様には物流のプロとして、荷主企業のための施策を検討し、提案いただければと思います。
例えばバラ積みの荷物をパレット積みにすることによる荷扱いの効率化や件当たり重量を一定以上、または一定以下に設定することによる積載効率化など、物流企業の扱いやすい条件にすることで運賃に反映できるような提案があればと思います。
以上、今回は荷主企業の本音3点についてお伝えしました。
物流業界に身を置いていると当たり前に思われることも、まだまだ世間の当たり前にはなっていません。
値上げ要請などのシビアなお話を進められる際は、上記を踏まえて進めていただけますと幸いです。
また、AIやRPA、自動運転などの進歩により、省人化が進み、再度コスト競争の時代が来るかもしれません。
物流企業各社は5年後、10年後を見据え、自社のサービスの研鑽を絶えず進めていただければと存じます。
当社では物流子会社の今後を支える人材を育成するためのプログラムを実施しております。
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