第12回 コストダウンと品質向上その2
今回は、品質向上とコストダウンの相乗効果についてお伝えします。
品質を上げてコストを下げる、なんて事はいかにも矛盾をしているように思われがちですが、実はそのベクトルは同じ向きにあります。
品質を上げるには、精度を上げたりチェックの回数を増やしたり、システムを導入していくなど、コストの負担は間違いなく増加します。
コストを下げるには、工程を短くしたり、工数を削減したり、人件費を下げたり(単価を下げる・人を少なくする)と品質劣化と成りそうな事を実行すると思われがちです。
上記活動は常道であり何ら間違いはありません。
ただ、その行動を起こす上 での留意点があるだけなのです。
一番の留意点は、導入手順にあります。
まず、品質の向上を行ってからコストを削減する事が肝要です。
もっと突き詰めると、『品質が向上しないと、コストは下がらない!』となります。
ある現状よりも、先に上記にあったような手法でコスト削減を行ってしまうと、品質向上はかなり困難となります。
では、品質向上の延長線上にありますコストダウンの進展を纏めます。
現状把握⇒①業務フローの作成⇒②問題点・改善点の抽出⇒③改善プラン(仮説)の策定⇒④アクションプランの作成⇒⑤導入(実行)⇒⑥測定・分析 ⇒⑦検証⇒⑧改善⇒⑨再導入(実行)の流れが完成したその先にコストダウンが効果として現れてきます。
これらの流れ(効果)を見て判るようにするには、品質の可視化=数値化=『見える化』が必要です。
物流の現場でも、この『見える化』はとても重要なシクミとなります。
次回はより具体的にその効果が出るまでの事例をお伝えします。