マッチングサービスの最適な利用で 定期便の帰り便を活用する
荷主企業は、いかなる出荷波動に対してもお客様と取り決めた期日までに必要な商品を納品しなければなりません。
最近では、普段依頼している輸送会社であっても必要とする中長距離車両手配が難しく納期までに輸送が困難な状況に陥っていると、当社にも問い合わせをいただくことが多くなってきております。
今荷主企業の物流部門は、既存が対応できないのであれば新規の輸送会社を見つけて、輸送体制の安定化が求められます。
営業用トラックの「空車率」は30%程度あると言われています。
しかしながら、実際には商品を運んでくれる営業用トラックを見つけることには苦労しているのが現状です。
なぜなら、商品は特定の地域から大都市へ一定方向に流れています。その流れの逆流は帰り便を活用できますが、行きは取り合いとなってしまいます。
トラック事業者は、往路を規定料金で出発し、復路は割引料金で戻ってくるシクミで運用していましたが、ドライバー不足が顕著になったここ数年は、この帰り便すら取り合いになっているのが現状です。
荷主側は、緊急時の車両手配だけではなく、増量時のスポット便や定期便の車輛探しにかかる時間的コスト・人的コストは看過できないものがあります。
その打開策としての、求貨求車サービスへのニーズは日増しに高まっています。
トラック1台当たりの「積載効率」は、直近では41%まで低下しています。
トラックの積載載率が低位にとどまっている背景には、多頻度小口化や時間指定配送の増加など、荷主ニーズの高度化や多様化によるものが少なくありません。
求貨求車サービスとは、輸送会社が求める「荷物情報」と荷主が探している「空車情報」を集約して組み合わせた掲示板です。
このサービスを活用することで、「空車率」の削減と「積載効率」の向上を改善することができます。
求貨求車サービスの利用は、需給マッチング機能として市場で活動している現有車両の20%~30%程度の輸送力を新たに生み出せるとも言われています。
また、求貨求車サービスを利用して「荷物情報」と「空車情報」をマッチングした結果、「定期便の帰り便」を上手に活用することができます。
荷主企業にとっては、潜在的な輸送力を活用することで適正なコストで期日に輸送が可能となります。
従来からのマッチングサービス提供者として、帰り荷の斡旋業である「運送貨物取扱事業者」が「荷物情報」と「空車情報」を集約して組み合わせるという「物流仲介業者」の存在があります。
そこで荷主企業の物流担当者が、優良な「物流仲介業者」を選定するコツを紹介したいと思います。
優良物流仲介業者のポイントは以下の3項目となります
(1)利用運送事業者(元請け)として安定経営が出来ていること
(2)運送会社との幅広いネットワーク力を有していること
(3)マッチング率が高いこと
これらを見極めることがポイントになると考えています。
特に上記(3)のマッチング率を判断するには①情報収集力(「荷物情報」と「空車情報」)②条件(荷物・エリア・時間・積込条件・荷卸し条件・車両・人)の調整力③営業力(積極的なアプローチによる新規開拓力)や交渉力④スピード対応によるタイミングが、マッチング率を上げる要素になります。
荷主企業の物流担当者は、情報のマッチングサービスを展開している「物流仲介業者」に依頼することで、自社が利用している運送会社以外の車両手配が可能となります。
さらに最近では、積載率や実車率の向上に役立つツールとして、「求貨求車システム」によるマッチングが発展してきています。
現在稼働している「求貨求車システム」の運営形態は主に三分類されます。(1)エージェント型(2)掲示板型(3)シェアリングエコノミー型があります。
- エージェント型とは、荷主企業自身が車両を探したり、運送事業者本人が貨物を探したりするのではなく、運営者が間に入り適切な運送会社を紹介するなど、情報の取捨選択の過程に関与することで効率的な取引をサポートする方式です。
- 掲示板型とは、荷主と運送会社がWEBを利用してお互いに情報を登録します。取引に関しては直接交渉し条件が合えば契約するというサービスです。掲示板型は、荷主企業がサービス利用料金を負担することはありません。
- シェアリングエコノミー型とは、掲示板型の派生といわれ、トラック運転手自身が、アプリなどから貨物を運んで欲しい荷主を簡単に探せるような設計がされていますが、国内ではまだ創成期のサービス形態であり、利用するにはやや難易度が高いように思われます。
荷主企業の目的は、運んでほしい商品を期日までに適正価格で納品することです。普段依頼している輸送会社が、中長距車両の手配に苦戦している場合は、①「物流仲介業者」に求貨求車サービスを依頼することや②「求貨求車システム」を活用することを検討してみてください。
まずは「定期便の帰り便」を探すことから始めてみることです。
安定的な輸送体制実現をするために、自社に見合った最適な求貨求車サービスを提供できる会社をみつけたい会社は、当社に一度ご相談してみてください。
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