輸配送の共同化

Pen Iconこの記事の執筆者

新関 崇浩

船井総研ロジ株式会社 シニアコンサルタント

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荷主企業にお会いすると「ドライバー不足の影響で値上げ要請を受けた」という声をよく耳にします。

物流業界に限らず、どの業界においても人手不足が叫ばれて久しい昨今ではありますが、物流業界においてドライバー不足が起きるとどのような影響が起きるのかについて、今回は、実際に公表されている数字を交えて考察していきたいと思います。

ドライバー不足の影響がどうして値上げにつながるのか、その過程について考えてみるとおそらく以下の流れになるのではないかと考えられます。

新卒・中途の採用が少ない→ドライバー不足→ドライバーがいないので減車→車輌が確保しづらくなる→価格が上がる

上記の過程を検証する為、国土交通省が公表しているトラック(含トレーラー)車保有台数の推移を見てみる事にします。

輸配送の共同化
資料:国土交通省

数字で見て頂くとお分かりの通り、2000年と2015年を比較すると25%台数が減少しております。

ここから、車輌の確保がしづらい状況が生まれている点があるという事実と、それに伴い荷主が商品輸送能力を確保する施策として、運送事業会社からの値上げを承認するという結果が生まれていると考えることはある程度妥当性のあるものだと考えられます。

では、この状況は改善されるのかという事についても考察する為、同じく国土交通省が公表している貨物自動車運送事業者数の推移を見てみる事にします。

輸配送の共同化
資料:国土交通省

上記を見てみると、2005年度以降57,000社程度の事業者数で推移している事から、今後も事業者数の増加に伴う、車輌台数の増加は見込めないと考えられます。

では、このような状況下の中、荷主は、どのような策を講じていかなければならないのでしょうか?

打開策は、輸配送の共同化にあるのではないかと私は考えております。
輸送能力の拡大を望むことが難しくなる以上、現状の輸送能力を最大活用しようという目的から輸配送の共同化に一つの解決策を求めるのは、ある意味当然の成り行きなのではないでしょうか。

輸配送の共同化は、前段で申し上げた輸送能力の減少に伴い、輸配送の共同化が進んでいる飲料や食品、医薬品の業界だけでなく、輸配送の共同化が難しい異形物や大型荷物を扱う業界においても、導入が進んでいくのではないかと推察しております。

また、輸配送の共同化が様々な業界で進んでいくと、今後は、納品先単位で異なっている帳票の統一化や業界をまたいだ横断的なEDI連携等も検討され、ありとあらゆる面において、共同化が検討されていくのではないでしょうか。

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