今、物流部がやるべき3つの施策(4)
早急な対策が必要な商材とは?
宅配・路線会社の値上げプレッシャーがもの凄い勢いで強まっています。
国内のBtoCは、大手3社で95%以上の寡占状態であり、既存宅配会社から大幅な値上げ要請があっても代替手段がないため、荷主は受け入れざるを 得ない状況です。
今後特に輸送手段の再構築を迫られるケースは、以下の通り。
①1個の重さが20kgを超えるもの
女性ドライバーや高齢者ドライバーには負担が大きく、荷扱いが困難なため
②長尺品や異形物
女性ドライバーや高齢者ドライバーには負担が大きく、且つ積載率低下を招くため
値上げ幅の水準
路線会社も宅配3社の勢いがそのまま引き継がれ、大幅な値上げ要請を荷主・元請物流会社へ突き付けています。
2013年にあった、陸運各社の運賃値上げ運動は、燃料高騰が主な理由でした。
この当時の値上げ幅は、弊社分析によると5%~10%の水準。
今回の路線会社は、その水準を大きく上回り、10%~20%の要求が出ています。
今後もドライバー不足が解消する手立てはなく、路線各社は現状のドライバー数 を維持するのが精一杯。
当面の戦略は、貨物量を増やさずに運賃水準を上げていくことによって、 輸送単価を引き上げ、利益率を高める方針です。
油断は禁物!年明けに備えよ
ただ、その様子見もいつまでもは続かないと思われます。
現実的にドライバー不足は深刻な問題であり、ドライバーを維持するためには、 運賃を上げて、賃金改定を行わないと継続雇用が難しい状況です。
現時点で値上げ要請がない荷主も、年明けには間違いなく強い要請が来る はずです。
特に要注意するべき荷主・元請物流会社は以下の通りです。
平ボディー車・ユニック車
ウィング車に比べ、汎用性が引く車両数が少ないため
手積み手下ろし
手積みは一番ドライバーに嫌わているため
長距離輸送
現状は高齢ドライバーが支えていますが、40歳以下のドライバーは なりたがらない
積み込みや荷下ろし待機が常時発生している
運送約款の改正もあり、割増もしくは輸送拒否が起こりえる
ドライバーによるリフト操作
こちらも、本来は車上渡しが原則のため、運送会社のリスクと負担が大きいため
今後3年以内に国内の陸上輸送運賃は30%~50%レンジで上昇するものとみています。
一般区域事業会社の動向
一方、一般区域事業会社の動向はといいますと、現時点では様子見が大半です。
宅配・路線会社は荷主が分散されて、特定荷主への依存度が高くはありません。
しかし、一般区域事業会社の大半は特定荷主(顧客)の占める割合が高いため、そう簡単にブームに乗って値上げとはいかないようです。
荷役も人手不足により上昇します。
残されたコストダウン領域は、
①保管料の削減
②自動化による生産性向上
③輸送モードの見直しによる輸配送体制の再構築
今年の7月以降になって、当社へ寄せられるご相談は全て上記3点です。
特に多いご相談は、
①自社の運賃水準を市場価格と比較して評価して欲しい
②路線便から区域便・共配便への切り替えをやって欲しい
③拠点戦略をゼロベースで再構築して欲しい
運賃上昇コストをいかに抑制するかよりも、思い切った施策を打つことで、この難局を乗り切りたいと考えている荷主が多いのはでないでしょうか。
輸送会社からの値上げ要請を下手に断ってしまったり、期限なく引き 伸ばしたりすると、輸送拒否や取引離脱が想定されます。
今年のこのトレンドは、いまだかつてない規模・レベルであることを荷主は正しく認識しておきましょう。
国内の物流業界は、荷主が運送会社を「選ぶ時代」から「選ばれる時代」へと大変革しました。
来年1月のFOC(funai物流オープンカレッジ)は、「2018年物流動向予測」です。
この激動の物流業界がどうなるのか?
荷主や元請物流会社・3PLはいかに乗り切るのか?
等の時流をお伝えしますので、お見逃しなく。
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